「赤い袖先」登場人物
イサン(朝鮮国第22代国王正祖)
李氏朝鮮王国27人の王様の中で世宗大王とともに大王と呼ばれた名君。頭脳明晰、文武両道、改革者、民百姓をこよなく愛した王様。11歳の時にお世継ぎである父親サド世子が狭い米櫃に閉じ込められ餓死させられた事がトラウマになっている。彼の少年期、青年期は彼の父親を死に追いやった政治派閥が放つ暗殺団、濡れ衣、罠からいかに自分を守るのかがテーマでした。自己コントロールがうまく隙をみせない人間に育ちます。彼には正妻と4人の側室がいました。しかし彼が愛したのは一般庶民(中人)出身のソン氏だけ。王様としてではなく一人の男として彼女に求愛しますがなんども拒絶されます(事実)。このようなけなげでかわいい人柄が一般大衆から彼が愛される大きな要因ともなっています。底なしの酒豪であったとも記録されています。
彼に「罪人の子供」という言葉は禁句。
演じるのはアイドル歌手グループ2PMのイジュノ。1990年生まれ。A型。178㎝。キリスト教。歌もダンスもうまいです。演技の経験は少ないですがセンスがあり、評価は高いです。「赤い袖先」の成功も彼の演技力の部分が大きいと言われています。
ソンドクイム
ソンドクイムは英明な王様イサンに人生でただ一人の女と思われた人。彼はイサンの事を好きであるにもかかわらずイサンの求愛を何度も断ります(歴史的事実)。知り合いであるイサンの正妻に義理を立てた、宮に側室として閉じ込められるのが嫌だったなど諸説あります。
ドラマでは陰でサンの危機をなんども救うヒロイン。自分の兄の身分を回復させるためあれこれ裏バイトしてお金を貯めます。サンとのやりとりではいつも主導権を握っています。
演じるのはイセヨン。1992年生まれ。162㎝。O型。子役出身のベテラン俳優。「チャングムの誓い」では幼い頃のクミョンを演じました。「赤い袖先」が彼女の代表作となるでしょう。歌もうまいマルチタレント。歌手兼俳優IUのファンですが歌ではかなわないのでドラマでの共演を熱望。
英祖(朝鮮国第21代国王)
英祖はサンの祖父。王位52年は李氏朝鮮国王様の中で最長。赤い服を脱げば幼い子供にお菓子をあげたり頭をなでたり小さな事で涙を流す好好爺。だが家臣の前では迫力満点。ぎろりとにらまれると皆縮み上がります。幼いサンに対しても帝王学を学ばせるためいじめぬきます。学識面で頭がいい人。民をこよなく愛し善政を敷きましたので当時の国民からも愛されていました。
彼には3つのタブーがあります。
一つ目は「下賤なムスリ(下女)から生まれた男。」彼の母親はトンイ。女官よりも地位が低い下女出身。
二つ目は「景宗王の毒殺疑惑。」彼の先王景宗は異母兄でチャンヒビンの息子。4年王様を務めますがある日急に亡くなります。死の前日景宗が食べたのは英祖が差し出したカニの醤油漬けと柿。英祖の毒殺説が今も強く疑われています。
3つ目は「サド世子。」英祖を王位に押し上げてくれたのは今でいう政党のような存在である老論派。英祖のただ一人の息子サド世子(サンの父親)は老論派反対派。晩年英祖の厳しい指導で頭が変になっていったサド世子は女官たちを殺すようになります。それを口実に老論派は一気に彼を死刑に持って行きます。ただ一人の息子を殺した罪悪感が英祖の人生につきまといます。
演じるのはベテラン俳優イドッファ。一度見ると忘れない強烈なインパクトを残す一風変わった演技をする事が多い役者です。ラスボスの常連。1952年生まれ。B型。174cm。仏教徒。デビューは1972年。ゴルフ、サッカー、釣りが趣味。個人的には「第5共和国」というドキュメンタリータッチのドラマで主役で実在の独裁者全斗煥をこなした彼の演技が一番印象に強いです。
ホンクギョン
この人なしにはイサンは王様になれなかったし死んでいたとも言われるイサンの名参謀。刃物のように切れ味鋭い頭脳を持ちます。「赤い袖先」第一話でサンが禁書を読み廃嫡されそうになりますがドクイムの機転によって危機を回避します。これも実はホンクギョンがやった事。
あざなはホンドンロ。名前はホンクギョン。女官たちのあこがれのまととして描かれていますが実際美男子だったといくつもの歴史書に書かれています。
家紋は名家チョンプン洪氏。ただ父親の代に没落。子供時代に貧乏をなめつくしたそうです。同じチョンプン洪氏の左大臣ホンジョンヨやサンの母親ヘビンに蔑まされたとか。
人の善意を信じず何か裏があると考える性格。イサン即位一等功臣である事は間違いないですがサンが王様になって自分の地位も上がると不正、賄賂大好きの悪代官になってしまいます。
演じるのはカンフン。2016年からコンスタントにドラマ出演していますが本作品が彼一番の代表作になるでしょう。オーディションに合格しドクイムの兄を演ずるはずでしたが善良な顔の中に何か怪しい雰囲気をかもしだせそうだという演出家の判断でホンクギョンを演ずる事になりました。デビューから12年目の大役。1991年生まれ。184cm。カトリック。
貞純王后
貞純王后は英祖の正妻。英祖を後押しする老論派の秘蔵っ子で15歳で嫁になります。英祖の末娘ファファン王女より7歳年下。ドラマでは控えめだが思慮深く、出る時には出て英断をくだす魅力的な女性として描かれています。サンを危機からも助けます。
ですが歴史上の貞純王后はイサン敵対勢力の長でイサン死後側近たちをどんどん粛清し幼い王様をコントロールし私利私欲をむさぼった悪い女性。
演じるのはチャンヒジン。第二のチョンジヒョンと言われるほどの美貌を持つモデル出身の俳優。1983年生まれ。172cm。B型。カトリック。ドラマデビューは2004年。脇役をこなしていきますが2015年からは毎年のように主役が回ってきます。
ヘビン
イサンの実母。夫が餓死させられるのを見る事しかできなかった不幸な女性。サンの王位即位を自分の命より大切に思いまわりを刺激して問題をおこさぬためひっそりと目立たぬように生きていきます。サンが王様になった時に「恵慶宮洪氏」というタイトルを授けられます。
演じるのはカンマルグム。演劇出身の人。演劇、映画、ドラマでも多くの脇役をこなします。1979年生まれ。
チョンヨン郡主
チョンヨン郡主は兄サンを「世孫」ではなく「お兄ちゃん」と呼ぶ妹。宮女でもわけへだてなく接するさっぱりした女性。サンの絶対的味方。序盤と終盤に出てきます。
演じるのはキムイオン。2004年生まれの17歳。あどけなくかわいい顔をしていますが素顔はとっても美人です。本作品は2020年の芸能界デビューから2作品目。
チョンソン郡主
チョンヨン郡主の妹。ドクイムやキョンヒたちと縫物や習字なども一緒にしますがチョンヨン郡主ほどわけへだてなく接する事はせず一定の線を引きます。ですが兄サンの絶対的味方。
演じるのはチョスンヒ。お姉ちゃんのチョンヨン郡主より実年齢は2歳年上で2002年生まれ。モデル出身。本作品が芸能界デビュー。166cm、44㎏。韓国の名門梨花女子大学校に在籍中の才女。
ホンダン
ホンクギョンの妹。ホンクギョンが妹にサンの子供を産ませるために強引に側室にしてしまいます。ドラマでは宮での生活になじめずうつ病にかかります。
演じるのは子役パクソギョン。
ホンジョンヨ
サンの母ヘビンの叔父。老論派のまとめ役。なにかと因縁をつけサンをお世継ぎの地位から引きずり落とそうと企みます。最初はサンを操り人形にしようとサン側の人間になりますが、サンがそんな器ではない事に気付くと叩く方にまわります。彼の裏切り過程は本ドラマには出てきませんがMBCの公式ホームページにそう書かれていますし、ドラマ「イサン」にも出てきます。
演じるのはチョヒボン。ちょい役でなくある程度役割があるドラマや映画の脇役にわんさか出演しているベテラン俳優。1971年生まれ。175㎝。
ファファン王女
英祖の一番お気に入りの末娘でサド世子の妹。なんでも自分が一番じゃないと嫌な性格。財閥のわがまま娘みたいな存在。老論派の資金援助により贅沢三昧の日々。サド世子とその息子サンを追い落とすための老論派の切り込み隊長。ドラマでは描写されませんがサン王即位と同時に没落。
演じるのはソヒョリム。1985年生まれ。170㎝。A型。ドラマ畑の人で助演が多い。小学校時代のボーイフレンドは女優キムスミの息子。そしてキムスミと親子という設定のドラマにでる。その後ボーイフレンドだったキムスミの息子と結婚する。
チョンフギョム
チョンフギョム(チョンベクイク)はファファン王女の養子。身分が低い出身の彼を名家の養子にしてくれたファファン王女を誰よりも大切に思う。神童として有名。何年か前にソウルのパックツアーに参加して韓国の本屋で「韓半島の歴史上のライバル」という本を立ち読みしていたところ「ホンクギョン対チョンフギョム」という項目がありました。彼は老論派の参謀。しかし本作品では彼の暗躍はほとんど描かれておりません。ドラマでは彼のあざなチョンベクイクで紹介されていますが本名チョンフギョムのが断然有名ですのでそちらを使用します。
演じるのはクォンヒョンビン。この人は作詞、作曲、歌手など音楽畑で有名な人。ミュージック界ではVINIとして知られています。ドラマには2017年、2020年、2021年に集中的に出演しています。映画は主役で一本。1997年生まれ。B型。187㎝。
ソ尚宮
宮廷女官見習いの教育係。ドクイムが女官になるまでのお部屋同居人。ドクイムを母親のように面倒を見てあれこれ世話を焼きます。
演じるのはチャンヘジン。1975年生まれ。韓国芸術総合大学第1期卒業生。映画出演歴は2000年代序盤からであるがドラマ出演は2018年から。主に助演女優。「愛の不時着」でソダンのお金持ちでコミカルなお母さんを演じたので日本でも知っている人が多いと思われます。
キムボギョン
ドクイムを含む親友4人衆の一人でホンクギョンの追っかけ。ホンクギョンファンクラブ会員でもあります。もし宮女をくびになればホンクギョンの家の横に家を買い一生ホンクギョンを眺めて生きていきたいと考えております。但しホンクギョンより親友4人の友情をちょこっとだけ優先しています。宮では王様の洗面係兼お風呂係。
演じているのはイミンジ。1988年生まれ。163㎝。46㎏。A型。助演女優。テレビドラマよりは映画に多く出演。
ペギョンヒ
親友4人衆の中で一番の美人。父親が通訳官で裕福な家庭で育つ。父の影響で情報通でもある。裁縫が得意。ドクイムに対し冷酷できついがためになる助言をよくする。王様と王后の衣服、布団担当。
演じるのはハユルリ。1999年生まれ。164㎝。ドラマ3本、映画1本とデビューして経歴が浅いです。ホンチョンギにも脇役メファとして出演していました。
ソンヨンヒ
親友4人衆の一人。美人で多才なドクイムやキョンヒに劣等感を持っています。ですが多情で優しい女の子。ギョンヒとボギョンの喧嘩の仲裁役。東宮の洗濯担当。
演じるのはイウンセム。1999年生まれ。162㎝。40㎏。映画に3本、ドラマに11本。主に助演女優として活躍しています。
ソンシク
一時離ればなれになっていたドクイムの兄。朝鮮一の武者となって現れます。ドクイムと仲がいいのでサンの側室の一人がドクイムが浮気していると訴え出た事があります。
演じるのはヤンビョンヨル。1993年生まれ。180㎝。助演俳優だが2021年から2022年にかけて一番人気の「紳士とお嬢さん」でも重要な脇役を演じている。一つ年上のイセヨンと顔が似ていると言われいいキャスト選択だったと言われました。演技歴は映画3本、ドラマ11本と今俳優修業中。
堤調尚宮チェ氏
本作品サンに敵対するラスボスの一人。彼女の官位堤調尚宮は宮廷女官最高位。女官700人のまとめ役です。
女官たちを守るために神経をとがらせます。ただ王様英祖に捨てられた恨みからその息子のサド世子と孫のサンに攻撃をしかけます。ドクイムの聡明さと美貌を見てドクイムをサンの側室に作り自分のスパイにさせようとします。
堤調尚宮チェ氏自体は架空の人物。
演じるのはベテラン俳優パクチヨン。今でも助演女優としてあちこちの番組にひっぱりだこです。20年くらい前の演劇界を舞台としたイジェリョン主演のドラマ「東洋劇場」に出演されていたのですが当時はびっくりするくらいの超美人でした。1969年生まれ。
カンウォレ
東宮の女官。堤調尚宮チェ氏の姪。堤調尚宮チェ氏が作った秘密結社で汚れ役担当。ドクイムとは家が近い事もあって女官になる前からの知り合い。しかしドクイムは暗殺者である彼女の裏の顔を知りません。だがカンウォレはドクイムに対しては特別優しい。一緒に市場に買い物に行ったりもする。
演じるのはジウン。生年月日未公表。アメリカのフェニックス大学卒業。踊り、英語、中国語が得意。出演映画は3本、ドラマは7本と女優修行中。但し本作品の演技は原作より立体的でよかったと評価があがりました。
パク尚宮
パク尚宮はサド世子の乳母でヨンヒの師匠。サン王位継承の正当性を示すキーアイテムをサンに渡そうとしたが途中堤調尚宮チェ氏に捕まって牢獄に入れられてしまう。物語決定的場面でのキーパーソンになりそうです。
演じるのはチャミギョン。1965年生まれ。ドラマの見た目より素顔は20歳以上若いです。本名キムミギョンで役者をやっておりましたが同姓同名俳優がいるので区別するため2020年にチャミギョンに変更。映画出演歴が多くドラマ歴は助演女優として2016年以降から活躍。「梨泰院クラス」に出てくる金貸しでトニーの祖母。あちらも老け役。2020年から2021年の2年で合計13本のドラマに出演。バリバリの現役です。そういえば「賢い医師生活」シーズン2でお金が理由で手術する、しないで揉めていた兄妹のお母さん役でも出てましたね。
親衛隊長カンテホ
カンテホはサンを守る親衛隊隊長。無骨一辺倒の人。生真面目で何事にも誠実だがその正直さゆえ言ってはいけない事も言ってしまい笑いを誘います。本人は真剣なのに見ている人たちが笑ってしまうコミカルなキャラ。彼にとってサンは絶対的存在。たまにホンクギョンがサンの命令を無視して自分が信じた事をするときには彼と衝突します。
演じるのはオテハン。1979年生まれ。180㎝。B型。プロテスタント。無名時代が長く続き嫁の実家で居候をさせてもらっていた時期もある。今は売れっ子助演男優。2020年のKBSドラマ「一度行ってきました」でKBS大賞助演男優賞をもらっています。
ソゲジュン
英祖がサンのために最後まで命を張るだろうと判断した3人の忠臣の一人。3人とはホンクギョン、親衛隊長カンテホ、そしてソゲジュンです。サンが主幹する「同徳会」で若い人をまとめる役。ソゲジュンはサン王朝初代宰相になります。
演じるのは俳優ムンジョンデ。
チョンジェファ
サンの妹チョンヨン郡主の夫。本来王室の人間は政治に関与してはいけないが同徳会のメンバーになり隠れながらもサンをサポートできる事に誇りを持つ。いつもサンに逆らうホンクギョンを憎々しく思っている。
演じるのはペジェギ。1986年生まれ。176㎝。70㎏。映画での脇役や助演が多い人。近年では「DP」,「秘密の森2」などのドラマ出演もしている。
キムドゥソン
サンの妹チョンソン郡主の夫。サンとは同じ船に一緒に乗ったので運命共同体だとはんば諦めてサンのサポートにまわった人。同徳会のメンバー。妻チョンソン郡主とは仲が良いおしどり夫婦。
演じるのはキムガンミン。1995年生まれ。188㎝。ドラマ出演は8本。助演が6本で主演が2本。モデル出身俳優。
東宮内官
サンの付き人腹心。名目上はサンの食事担当だが四六時中サンのそばにいなければならない大変な仕事。サンは時々難しい時があるし、性格が細かい。
演じるのは俳優ユンホシク。
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