「赤い袖先」第16話あらすじ
それ以上に
しばらくの間抱擁しあうサンとドクイム。
「余の所に来いと言えば応じるか?」「恐らく。。。そうしたい気持ちはあります。ですがそれ以上に今の場所に居続けたいという気持ちが強いです。」「そう答えると思っておった。」
一方大妃を訪れるファビン。側室の自分が子供を産まなければ捨てられるのは明白。「どうぞお力を貸してください」とすがります。
ドクイムひさびさの休日。街の待ち合わせ場所で「お前が傷つけば余の心が痛い」と言ったサンの言葉を思い出します。そこに兄ソンシクが現れます。繁華街で買い物デート。ソンシクは科挙に合格し王様親衛隊の隊員になる事をドクイムに伝えます。
大妃の警告
御前会議。老論派のシムフィウォンはキムギジュ(大妃の兄)が流刑地で病気だと伝え、キムギジュの釈放を訴えます。
その事は大妃と直接会って話すとサンは答えます。
サンと囲碁を打つ大妃。
人間取り返しがつかない事が起こると一生の禍根として残ると話します。「もし兄がそのまま死ねば一生私は王様を恨む事になります。」
サンは結果がわかっていてもホンクギョンを最後まで信用して失敗したと話します。「同じ愚は犯しません。キムギジュは老論派の首長。都に戻せば私の理想の妨げになります。流刑地に典医を送ります。」
「兄上に何事も起こらないよう祈っています。私のためにも、王様のためにも。」
「今日の夜8時にファビンの館を訪れなさい。王様のために言っているのではありません。昔可愛がり今もいつくしむ一人の娘のためです。(大妃)」
スカウト
ドクイムを呼び出した大妃。自分の人間になれと誘います。ドクイムの答えは否。
大妃は以前ドクイムに同じ事を言ったのはドクイムが王様にとって特別な存在だと知っていたので利用する目的だったと話します。しかし今回の誘いは暇をもてあそんでいるので話し相手を欲しいだけだと話します。だがドクイムは大妃の話相手など恐れ多いとやんわり断ります。
「あなたの朗読は心地よかったのに残念ね。」
冤罪
大妃の館を出たドクイムの体を複数の女官たちが押さえつけ、ファビンの前につきだします。
「私は品階を授かった宮女です。何か不当な事があるなら監察尚宮を通してください。(ドクイム)」「そうやってペラペラしゃべれるのも今のうちよ。連れていけ!(ファビン)」
時間は夜の8時。書生たちに指導をするサン。
「王様。夜8時です。」
サンはいやいやながら大妃に言われた通りファビンの館に行きます。
部屋に入ると大妃が奥に座っていて手前にドクイム、その横にファビンがいます。
「なぜソンドクイムがここに?弾劾裁判でも始めるつもりですか?」「その通りです。(大妃)」
ドクイムが最近入った親衛隊隊員に金銭を与えたり休日には二人で逢引きしていたとファビンは説明します。
そして証拠品としてソンシクがドクイムに与えた青い袖先を見せます。(ドクイムが知らぬ男性からもらったその青い袖先はサンも記憶しております。)
ドクイムは言われた事をすべて認めます。
「これは立派な密通罪、姦通罪です。その罪は死に値します。(大妃)」
「王様と二人で話をする。皆の者は下がりなさい。」
取引の持ち掛け
大妃はサンに取引を持ち掛けます。「欲しいなら欲しいと言いなさい。このおばば(といってもとんでもなく美しいアラフォー)が何とかしてあげますから。」

「いいえ。私は裏取引には応じません。応じれば女官たちの前で堂々としていられなくなりますから。(サン)」
「随分立派な王様だこと。聖君だわ。でも女官たちには女官を殺した冷酷な王様に写るはずですよ。」
「王様はあの娘を大切に思っていたと考えていましたけど。生きようが死のうが勝手にしろという事ですか?」
「私はあの娘が密通罪を犯すとは考えておりません。そんな人間ではありません。」
「ずいぶん純真なのですね。700名の女官たちが一生王様だけを見つめていると思っておられるのですか?」
「人の心まで統制するのは無理です。」
「私は王様と違います。欲しい物が手に入らないなら、いっその事壊します。気分が悪いですから。」
「それではその場であの娘が死ぬのを見物してください。」
「誰かおらぬか。ソンドクイムをこちらに連れてきなさい。」
言ってはならない言葉
ドクイムと一緒にヘビンが入ってきました。
「何故恵慶宮(ヘビンのサン王即位後に付けられた称号)がここに?(大妃)」
「おおきな勘違いがありますので釈明しに来ました。密通とされている親衛隊の兵士はソンドクイムの本当の兄です。」
「そんなはずありません。私がちゃんと調べました。姓は同じソンですが本貫が違います(ファビン)。」
(朝鮮半島における本貫(ほんかん)は、発祥を同じくする同一父系氏族集団(宗族、門中)の発祥地。姓が同じでも本貫が違えば同族とみなされません。)
「それはドクイムを私の家人の養女にしたからじゃ。それで本貫が変わった。ソンドクイムの父親はサド世子に使える親衛隊兵士でサド世子死去の時に一緒に死んだ。だから私はドクイムを家人に引き取らせこの娘を宮女にした。」
「あははは。それならそうと何故そう言わん?ドクイム。」窮地を脱した事より、浮気していなかった事のほうがうれしそうなサン。
(政治嗅覚が鋭い大妃は逆風が吹き、自分が窮地に立たされている事を知っているので黙っています。ですが世間知らずのファビンは空気を読めません。)
「そんなの決まっているじゃないですか。兄だと告げれば自分が逆賊の子供である事を認めなければなりません。そうなれば兄は追放されますから。だから何も言えなかったのです。」
「大妃様。密通罪には該当しませんでしたが、逆賊の娘である事が明らかになりました。何も変わりありません。(ファビン)」
「サド世子は罪人です。ソンドクイムは罪人を補佐した兵士の娘ですので直ちに斬首刑に(ファビン)」
「余は」サンが大声を出して立ち上がります。「サド世子の息子である。」
拝礼するファビン。「申し訳ありません。そのような意味ではありません。」
「大妃もファビンと同じですか?私がサド世子の息子なので王位の正当性がないとお考えですか?」
「いいえ。違います。私を誤解しないでください。」
「それはよかった。もし同じでしたら私のやる仕事がすごく増えましたから。」
「手に入らないなら壊すとおっしゃりましたね。そんな事はないです。私がそうさせません。」
「わおー!」
ファビンの館を出たサン。「今夜私の寝室にソンドクイムを呼べ!(サン)」「えっ?(ソ尚宮)」「二度言わせるな!」「わおー!(親衛隊隊長)」
ヘビンと歩くドクイム。「今日の事でお前の兄が不利益をこうむる事はない。私が約束する。」「感謝のしようがありません。」「いや。お前は真実の書を探し出してサンの命を救った。感謝するのは私のほうだ。」
泣き伏せているファビン。大妃はおっかない顔。
「二度とお前の顔など見たくない。」
甘い夜
ソ尚宮にエスコートされ王様の館に行くドクイム。「こうなってしまうと宮女は避ける事ができないの。覚悟しておきなさい。(ソ尚宮)」
サンの部屋に入るドクイム。
「今日の事で私にお怒りになられましたか?前言われたように私に罰を与えようとしているのですか?一晩のなぐさめものにしてあとは知らんぷり。惨めな一生をすごさせる。。。」
「言葉がすらすら。いつものお前に戻った。さっき大妃の前でお前はぶるぶる震えていた。先王の前で釈明する時に堂々としていたお前がだ。」
「そこで考えた。何故だろう。自分の命より兄のほうが大切なのだろう。お前の親友たちのように。そして余はそれらの者たちより大切ではない。。。」
「私をこのまま行かせてもらえませんか?」
「余はお前を愛している。お前が余を思う気持ちが忠心であれ憐憫であれ構わない。横にいてくれれば。」ドクイムの手を握ります。
「お前は余に会えなくても平気なのか?今ここでお前が手を離せば互いに一生顔を合わす事はない。」
ドクイムはサンの手を離しますが握り返します。
長いキス。
余波
朝サンの館の前で親衛隊長、ソ尚宮、内官たちがやきもきしている。
「もう朝の会議の時間なのに出てこられん。こんな事は初めてだ。」
部屋の中ではドクイムが寝ているサンの顔を愛おしそうに撫でている。
大妃がサンの執務室にやってくる。ファビンはどうするのかと聞く大妃。ないがしろにすれば宰相ラインの勢力とのバランスが崩れると警告します。
「昨晩の事で王様はソンドクイムを危険にさらしました。彼女は側室にはなりたがっておりません。標的にされます。」
「私が守ります。だからそばに置いたのです。」
ため息をつくソ尚宮。「おめでたい事じゃないか。口には出さないがホン都承旨を亡くして王様は非常に寂しがられておる。王様は最高の人柄だし。(親衛隊長)」「いい王様が必ずしもいい夫になるとは限りません。(ソ尚宮」
立派な服装をするドクイムはヨンヒ、ボギョンと一緒にいます。そこに顔面傷だらけのギョンヒが帰ってきました。
ドクイムがあらゆる手練手管で氷のハートの王様を溶かしたとゴシップしている女官たちと殴り合いのけんかをしたのです。「何も知らないくせに。私悔しい。(ギョンヒ)」
お前を守る
甘い夜から10日経ってやっとドクイムの館を訪れたサン。
「忘れられたのかと思いました。」「いや。お前に考える時間を与えたのだ。後悔してないかどうか。」
「もし後悔していると告げましたら私を去らせてくれますか?」「いや。」
「お前に会いたかった。」「私もです。」
「こんな事ならもっと早くくればよかった。」
御前会議。「いつまで老論派だの小論派に振り回されなければならんのだ!」怒って会議を抜け出します。
行きつく先はドクイムの館。ドクイムのひざの上に頭を乗せ横たわります。
「サボってたら家臣がうるさいですよ。」「いや。余は息を吸いにここにきたのだ。」
しばらくうとうとしてさっと起き上がるサン。
悪夢を見たようで冷や汗を書いている。「おう。お前はそこにおったか。」「はい。ずーっとここにいました。」
「余は先王とは違う。最後まで愛する人間を守る。」
(この場面は第17話でも出てきますのでご記憶ください。)
懐妊
最近来るものが来ないとぼやくドクイム。ギョンヒ達は懐妊だと騒ぎます。「ぬか喜びになると困るからこの事はしばらく黙ってて。」
毎晩館を訪ねるサンに体調が悪いので入館禁止の手紙をサンに出します。
でもすっとんできたサン。「どこが悪いんだ?症状を言ってみろ。私も医術に詳しい。」
(サンは医学でも当時のドクター並みの知識を備えていました。サンはホジュンがその時代から約150年前に書き上げた東医宝鑑(世界記録遺産、日本でも徳川吉宗が翻訳版を発行させた)に書評を書き、その当時すでに効能が薄くなった薬物を振り分ける作業をしています。)
「どれどれ。」ドクイムを診察したサンはずばり「お前仮病だな?」と指摘します。
「今日も泊っていく。だが手しか触れない。」
それからほどなく医女がドクイムの懐妊を告げます。甘い夜から3か月後の出来事。
大喜びで天にも上ったような気分のサン。しかししばらくの間ドクイムの館を訪れませんでした。
ソ尚宮が現れます。「実はね、王様はあなたの懐妊後にずーっとヒョイ王后(サンの正妻)の館にいっているの。子供ができなかったから気を使ってらっしゃるの。」
「承知しております。王様は私の物ではありません。」
別れ
宮女久々の休暇。外に出かけるギョンヒ、ヨンヒ、ボギョンをドクイムは門まで見送りに行きます。
「欲しいものはありませんか?お父様(通訳官)に頼めばなんでも手に入りますけど(ギョンヒ)。」
「ちょっとやめてよ。その言葉遣い。鳥肌立つわ。」
「いいえ。以前とは違い王様のお子を宿した大切な方。今までのように接してはなりません。(ギョンヒ)」
「言葉遣いは変わりますが心は以前のままですので。(ヨンヒ)」
「一緒に外に行かればいいんですが。。。(ボギョン)」
「知ってるでしょ。私は一生宮の外に出られないの。それが私の運命。でもあんたたちがいるじゃない。帰ったら話を聞かせて。」
三人に手を振るドクイム。そして女宮時代のドクイムが3人に加わり一緒に外に出て行きます。昔のドクイムは振り向き今のドクイムに手を振ります。
称号
布団でうとうとしているドクイム。
この頃一人でいる時間が長いので物思いにふけるようになった。私はここで何を得て、何を失ったのだろう。ドクイムが心の中でつぶやきます。
目を覚ますとサンが座って机の上で何か書いている。「何をなされているのですか?」「お前が男の子を産めばビン(嬪)に昇格する。その時の名前だ。」「正しい宜(ウィ)という言葉を使ってウィビン(宜嬪)だ。」
「王様らしくない名前の付け方ですね。」「どんな名前なら私らしい?」「生意気なビンとか、けしからんビンとか。」「そんな漢字があればいいな。」
「何故宜という言葉を使われるのです?」「宜には睦ましい夫婦という意味が含まれる。」「それがお前に与える宜だ。お前と家族になりたいと言っただろ。」「宜には好きという意味もありますね。」「わかり切った事を聞くな。」「お前はどうだ。以前絶対余を愛さないと申した。今もそうか?」
ドクイムは黙って答えない。サンはドクイムを抱きしめます。「どうでもいい。いずれにせよお前は私の物だ。」
ドクイムは心の中でつぶやきます。(今日は幸せ。でもある日は悲しい。結局生きていくというのはそういう事の繰り返し。)
「良い漢字をいただきうれしいです。私も王様を喜ばせます。」ドクイムはサンの手を取りお腹を触らせます。
「感じますか?」「ああ。」「そんなわけありません。」「いや感じる。ドクンドクンした鼓動を。」「大したものですね。そんなにうれしいですか?」「ああ。」
「赤い袖先」第16話感想
ドラマに出てくるファビンは浅はかな人間ですね。王様に好かれたいなら王様を調べ上げないと。それほど難しい事ではありません。
サンは世孫時代サド世子の息子では都合が悪いので9歳か10歳で亡くなった英祖の嫡男(サド世子の兄)の養子という事になっていました。ですがサンは王様になって初めての就任演説で「余はサド世子の息子である」と宣言しています。ファビンはそれくらいわかっておかなきゃ。サンは王様を24年務めます。贅沢は好みませんでしたが例外があります。サド世子への墓参りです。この時ばかりは大名行列です。24年の任期の間に13回行います。サンがサド世子をどれほど敬っていたかよくわかるエピソードです。
サンがいかにドクイム一筋なのかはその懐妊歴で見てとれます。ドクイムは側室になった年を含め毎年のように懐妊しています。(1男、1女、2名は流産)。そして2歳になった息子をそのまま世子に指定します。世子指定は通常は10代。まだ正妻であるヒョイ王后が子供を産める歳であるにも関わらずです。ヒョイ王后はドクイムと同い年。ちなみに姫のほうは生後2か月で天に召されました。
実際のホンクギョンは大規模な不正が糾弾されそのまま流刑に処され流刑地で死亡します。
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