「赤い袖先」第12話あらすじ
錯覚
剣を抜いた英祖はサンをなじります。「貴様はこの老いぼれが早く死ねばいいと呪っておるのであろう。女の尻ばかり追っかけて、学問はさぼって。イスン(サド世子の名前)よ、貴様が殺した人間の数は百人を超える。民を苦しめる貴様を余がどう生かしておけようか。」
「違います。私は父上ではありません。サンです。一度でもいいから父上でなく私を見てください。おじい様。」
こやつは息子ではないのかと左大臣ホンジョンヨに聞く王様。
「世子ではなく世孫です。」
「お前はサンだったのか。」「はい。」
「どうしよう。余は王様なのにしっかり考えて決断を下す事が出来ん。」
「もう一度立ち上がってください。帝王として最後の責務をお果たしくださいませ。(サン)」
王后の登場
王后がドクイムを連れて御前会議の場に現れる。「本来は場違いですが事態があまりにも急を要したので参りました。文書があります。真実の文です。ご記憶にございませんか?」ドクイムに振り向き「真実の文がどこに隠されているか王様にお教えしなさい。」
ドクイムが説明しようとすると後ろから慌てて追っかけて来た堤調尚宮が「こやつはでたらめを言う不届きなおなごです。罰を与えますので引き連れて帰ります」と話します。
すると稲妻と轟音。1672年のあの日(サド世子が死んだ時)もこのよう稲妻だったそうですとドクイムは前に進み出て口を開きます。「王様はご記憶のはずです。サド世子が死亡された後に真実の書を書かれ、玉璽を押された事を。約束した事を記され、約束した場所に文書を隠されました。」
「どうぞ思い出してください。誰と約束されたのか。どこにその文書を隠されたのか。」
「余が隠した真実の文だと?」
王様は頭を押さえながら王座の後ろに飾ってある大きな屏風絵の五日月峰のところをびりびりに破きます。すると布でくるまった文書が出てきました。
真実の書
「血塗られた衣服。。。余は後悔するなり。。。」とつづられている。
「余の筆跡と玉璽だ。思い出した。」
「余は約束をしたのだ。あやつの命を奪う代わりに世孫だけは生かし、王座に座らせると。そしてあやつが死んだ時に約束の証としてこれを書き、玉璽を押し、あそこに保管した。」
「誰と約束をなされたのですか?(サン)」
「お前の父親。我が息子。サド世子だ。」
「チョントスンジ(都承旨)よ。ファファン王女をここに呼べ。」
王位交替
御前会議に現れたファファン王女。
「ちこう寄れ。この玉璽を世孫に手渡せ。お前が直接渡してこそ余の意向がここにいるすべての臣下に伝わる。」
「いけません。それはだめです。」ファファンの声は悲鳴に近いです。
こんな事をすれば民百姓が王様が死んだと噂するとファファン王女は必死に抵抗します。
だが英祖は王様としての自分はすでに死んだと伝え強引に玉璽をサンに手渡させます。
「皆の者はよく聞け。余はこれ以上政務を全うする事ができない。だから今この時より玉璽を後継者サンに委ねのんびり暮らす事にする。」
一方事の成り行きを不安げに見守る東宮の女官たちに親衛隊長は世孫が軍事権を継承し、玉璽を王様からゆだねられたと報告します。
堤調尚宮の最後
堤調尚宮は機密巻物を取り出していくつかを火にくべ、いくつかを姪であるカンウォレに手渡します。
堤調尚宮はカンウォレにこれからの秘密結社は彼女に任すといい、女官たちを保護する秘密結社の役目を忘れるなと強調します。
居間にいると王様の内官が供を連れて堤調尚宮を連行していきます。
獄につながれている堤調尚宮に王様からのお呼び出し。
王様の御前会議場で二人だけで向き合います。王様は真相調査団の報告書に世孫謀反事件の首謀者として堤調尚宮の名前が挙げられていると伝えます。
何故そんな事をしたと聞く王様に自分を捨ててヨンビンを選んだ事への復讐だと堤調尚宮は答えます。
「そのようなとげとげしい言葉を吐くからにはすでに死を決意しておるのじゃな。」
英祖は王様になって数十年自分が民百姓に対して恥ずかしいような決定は一度もくだしたことはないが、堤調尚宮には恥ずかしい事をしたと思っていると伝えます。「お前の真心を利用するだけしてあっさり捨てた。」
王様は堤調尚宮を殺すつもりはないのでどこか田舎に行ってひっそり暮らせと伝えます。しかしその言葉に抗うように彼女は王様の目の前で小刀を懐から出して自分の心臓を突き刺し、命果てます。
やけど2
サンの館で一人待つドクイム。「何故ここにいる?」戻って来たサンが聞きます。「お会いしたかったので。」
「やけどの具合はどうですか?」
「今日数百人の人々からいろいろ質問されたがやけどの事を聞いたのはお前だけだ。私の気持ちとお前の気持ちが一緒なら今日ここにいると思っていた。」
「今はいろいろ忙しくて時間がないが落ち着いたらお前に今後の事で話をする。」
「どうかそれ以上おやめくださいませ。」
「私の心はすでに決まっている。」
ファファン王女の悲劇
サンの館の前で土下座するチョンフギョム。
母親(ファファン王女)の代わりに自分に死を与えたまえと嘆願しています。
養子縁組を解消すればいいだけであってチョンフギョムに害を与えるつもりはないと答えるサン。
しかし一度ファファンを母親と決めたので破縁するつもりはないとチョンフギョムは答えます。
「お前の願いを私がかなえてあげなければならない理由は?」
チョンフギョムはサド世子が死罪になった時サンが自分が身代わりになると申し出た事実を指摘し、自分もその思いだと話します。
所変わってファファン王女の居間。「サンは何と言っていた?」大丈夫だと答えるチョンフギョム。「お父様がまもってくれたのね。お父様に挨拶に行かなきゃ。」
チョンフギョムは母親を止め自分はファファンの息子で幸せだったと伝えます。そして大きな拝礼をします。
「お前、どこか遠くに行くのかい?」「私は王様の娘なんだ。私が守ってあげるから。」立ち去るチョンフギョム。
「戻ってきなさい。」しかしチョンフギョムは再度一礼して立ち去ります。泣き崩れるファファン。
英祖の最後
王様の寝床のそばにいるサン。起き上がった王様は側近を全員下がらせサンと二人きりになります。
「お前に言い残したい事がある。」
「一つ目は王様として。お前は自分の好き嫌いにかかわらず数百、数千の人間たちの命を奪う事になる。自分がすべき事をしろ。お前が耐えて行かなければならない運命だ。」
「二つ目はおじいさんとして。この爺を許してくれ。間違った事もしたがいつも全力を尽くした。だからもう許してくれ。」
「サン。お前がこれから朝鮮の王だ。」
「見ただろ。余はお前との約束を守った。」
寝床のそばでサド世子の亡霊が立っている。そして一礼します。
そして英祖は逝きました。
「王様。王様。。。おじい様。おじい様。」
「こんな風に逝かれてどうなさるのです。私に大きな痛みを与えたまま。父親を奪い、祖母を奪い。すべて王様のせいです。」
「絶対に許す事ができません。」
「おじいさま。どうぞ戻ってきてください。」
「私めは恐ろしくておっかなくて息もできません。どうぞ戻ってきてください。」
(英祖が亡くなったのは1776年。王位期間は歴代朝鮮王最長の52年。享年日本の数え方で82歳。在位中の世界のビッグイベントとしてはアメリカ建国があります。)
東宮で働いてた武官、文官、女官たちはそのままランクがアップグレードされ王様の館にスライド勤務。
3年後
ドクイム、ヨンヒ、キョンヒの三人が街の繁華街を歩いています。途中アクセサリー店に立ち寄りボギョンへのお土産を買います。彼女たちが到着したのはボギョンの叔父さんが経営するクッパ食堂のお店。ボギョンは自分が担当していた英祖が死去したのでお払い箱になり宮から出されここでバイトしてます。「親戚の店だから給金もいいのよ。(ボギョン)」
お店が忙しいのでドクイム、ヨンヒ、キョンヒの3人もお店を手伝います。
宮に戻ったドクイムは煎じ薬を持ってサンの政務室を訪れます。王様のトレードマークである赤服を着たサンが家臣たちと派閥争い解消の事で熱く議論を交わしております。熱中しすぎてドクイムが目に入りません。30分ほど待たす事に。ドクイムはサンが薬を飲み干すのを見届けるのも仕事。そのような日々が続きます。
王様の政務室に二人でいるサンとドクイム。
「今日も煎じ薬が冷たいな。」「すぐに温めなおしてきます。」「そうではない。今日も長い間待たせてしまったという意味だ。わざとやっているわけではない。」
薬の閉めにドクイムが甘い生姜スライスをサンの口に入れ食べさせて立ち去ろうとします。
「待て。話がある。先王の三年喪の期間がおわり、王様になって処理しなければならない山積みの業務もだいたい処理した。」
「余が何を言おうとしているか見当はつくであろう。お前をそばに置きたい。宮女としてではなく一人の女として。」
「余はお前に側室になってほしいと言っている。」
「時間を与える。考えておいてくれ。」「ドクイムよ。余はお前と家族になりたい。」
「赤い袖先」第12話感想
最終回のように深い意味があり、中身が濃い回でした。
シェイクスピア演劇の一人舞台のように英祖の独壇場で始まった御前会議。今までサンに英祖がふるまってきた暴力やいじめはこのシーンを効果的に見せるための伏線だったのですね。英祖は亡くなる前にサド世子の死というトラウマを解決して王位をサンに譲位しなければなりません。英祖はこのシーンによりサド世子ともサンとも和解できました。本作品の屈指の名場面だと思います。
今回自決した堤調尚宮。演じている方はパクジヨン。
この方は20年くらい前のドラマ「東洋劇場」に舞踊家としてキャスティングされてたんすけど、見た瞬間「なんと美しい人なんだろう」と思いました。当時の彼女は今の韓国トップ女優だれよりも美人!若い頃こんな美人なら英祖がメロメロになるのも無理ないですね。
英祖が死んだ直後のサンの表情が圧巻です。ジュノは演技の経験が浅いのになんて演技がうまいんだろうと思いました。キムスヒョンもそうでしたが生まつき演技の才能がある人っているんですね。
サンは王様になってからサド世子を死に追いやった勢力を粛清していきます。代表格が二人います。ひとりはチョンフギョム。老論派のブレインでありサンとホンクギョンの最強の政敵。もう一人はキムギジュ。貞純王后の兄。歴史では王后はサンの最大の敵ですが本作品では味方となっているのでキムギジュは出てきません。チョンフギョムは毒を飲まされて死に、キムギジュは流刑(2年後流刑地で死亡)。
序盤中盤が終わりました。サンの世子時代からいよいよ王様時代突入です。記録によればドクイムは世子時代と王様時代合計2度サンの求愛を退けました。今後どうなることやら。
「赤い袖先」日本での視聴方法
「赤い袖先」はKNTVで2022年4月より放映スタート(全話日本語字幕付き)。2011年3月11日金曜日20時~22時30分に第一話第二話先行無料放送実施。KNTVは日本で最初に韓国ドラマを放送する事にこだわる韓流専門チャンネル。
KNTVはスカパーから視聴可能
その他KNTVで視聴な可能な話題最新作に「ワンザウーマン」(2022年3月18日スタート)、「ホンチョンギ」(2022年2月19日スタート)がございます。
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