「御史とジョイ」第14話あらすじと感想
祖母の憂鬱
部屋で頭を抱えるイオンの祖母。ジョイが言った言葉を苦々しく思っている。「心は一つではありません。私もイオン様も両想いです。なのに私だけ責めるのは不公平です。(ジョイ)」
「この歳になってなんであんな小娘にあんな口たたかれなきゃならないんだい!」
「否。寡婦と恋に落ちた孫が愚かなのだ!」
祖母はお手伝いを呼びつけてジョイが何をしているのか、どんな人間なのか調べてこいと言いつけます。
結婚の方法
街を歩きながらイオンの祖母に生意気な態度を取った自分に腹が立つジョイ。「何故がまんできなかったんだろう。おとなしくしてればよかったのに。。。」
ジョイの幼馴染で弁護士のスンリュルが声を掛けます。二人の仲よさそうなやりとりを見ていた祖母の下女は二人の関係を怪しみます。
「イオン官吏との事どうするつもりだ?」山の石段で一休みするスンリュルがジョイに聞きます。
「貴族と寡婦。まず結婚は無理だ。法でも定められている。もしイオン官吏が結婚したいと申し出たら学者たちが大騒ぎして抗議文を王様に送るであろう。妻は人生で一人の夫に尽くさなければならない声高々に叫ぶだろうよ。」
「それで考えたんだ。二人が結婚する方法を。お前がイオン官吏を訴えるんだ。拾妾だ。(寡婦が祠の前で最初に出会った男性と結婚するという風習。ドラマ第三話参照)その事を知っている証人たちを引き連れて。するとイオン官吏は負ける。そしてお前を妻に迎えざるを得ない。」
だがそれは茨の道と伝え、自分と一緒に花の道を歩かないかとジョイの求婚し高貴なかんざしを差し出します。スンリュルの額にデコピンするジョイ。「結婚するつもりもないし、かんざしもらう気もないわ。」笑うジョイ。
結婚するならジョイと
事件捜査のため江華島に出張に行くとイオンは祖母に報告します。宮で干されたのでこれ以上事件に関わってほしくないと言いながらも孫のする事に関与はしないと祖母は告げます。しかし結婚は家名の事だから別問題だと釘を刺します。
「あの娘は結婚する気はないと言ったではないか。結婚もしない女とあってどうする?」「結婚の確信はありません。ですが愛の確信ならあります。」「お前がそうでもあの娘はどうなんだい?聞くところによると他の男と会ってるらしいじゃないか。」「彼女に人を付けたのですか?」「どんな女なのか知っておかないとだめだろ。」「それはよかった。彼女の事をよく知ってもらえればおばあ様も気に入ります。」
「僕は誰とも結婚するつもりはありません。ですがもししなければならないのであればジョイとします。」
お寺巡り
父親を捜して毎日夜遅くまで漢陽周辺のお寺をしらみつぶしに訪ねるクァンスン。ある寺でユッチル、パルクを見つける。彼らはイオンの命で亡くなった侍医の遺留品を押収しに来ていたのだ。クワンスンは亡くなった名前が父親であった事、世子殺しやイオンが今追っている事件と関連している事などを聞かされ父親が自分を守るために突き放したという事を悟ります。
「誰が殺したんですか?(クァンスン」「パクテソだ(ユッチル)。」
テソが嫡男だった
トッポンの漢陽の仲間でテソを一緒に救い出した女性の一人は実はテソの母親だった。しかし今テソの目の前でその女性が土下座して詫びを入れている。「若様。申し訳ありません。」「もし僕を小さい頃捨てた事ですまないと思っておられるなら気にしないで大丈夫です。でも僕はお母さんの顔をよく覚えてますよ。(テソ)」「違うんです。私は自分の生んだ子供(トス)が幸せになってくれる事を願い二人の赤ん坊をすり替えたんです。本当にすみません。」
やったのはトスだ
コットゥ商談とパクスンのつながりを調べようと江華島に乗り込んだイオン。そこで偶然我を忘れてふらふら歩いているテソを見かける。捕まえようとするイオン。父親に話す事があるとイオンを振りほどくテソ。殴り合いになります。
しばらくして落ち着くとテソがぼつんといいます。「俺が嫡男だったんだ。あれほど父親に認められたかったのに。父さんが知ったらどんな顔するだろう。赤ん坊がすり替えられたんだ。(テソ)」
「だからと言ってお前の過去が変わる事はない。いくら恨んで腹を立ててもあった事がなかった事にはならない。(イオン)」「お前が変わりたいのなら方法は一つ。罪をつぐなう事だ。(イオン)」
「最後の毒薬を世子に渡したのは俺ではない。万民が平等な国を作りたい言葉を聞いて感動しておれは途中でやめたんだ。最後にやったのはたぶんトスだ。」
「俺は悪い事をたくさんした。お前が正しい。仲間たちをつれて漢陽にいって全部話す。(テソ)」
テソはクァンスンの父親である侍医が持っていたパクスンとの取引の証文をイオンに手渡します。
近代の日本と李氏朝鮮国の離婚率を調べてみました。
江戸時代の庶民の離婚率は4.8%。2010年代の日本の離婚率は1.8%だったので相当高いです。ちなみに現代世界で離婚率が一番高いのはロシアで4.5%。それでも江戸時代より低いです。
一方朝鮮国はといいますと平均離婚率は見当たらなかったものの相当高かったようです。離婚結婚を繰り返し5人の妻を迎えた16世紀の男性の記録が残っています。布教活動でヨーロッパから李朝末期に朝鮮国を訪れた西洋宣教師は20回結婚した女性は20回が終わると21回目を探すだろうとしたコメントの記録が残っています。もちろん冗談でしょうがそれほど離婚は普通の出来事だったようです。李氏朝鮮では夫と妻が口頭で役所に一緒に申し出ればすぐに成立と手続きが非常に簡単。但し偽の離婚や不正が発覚した際には棒叩きの刑など厳しい刑罰が下されたとの事。
近代と言えば女性の権利がまだ不遇の時代。日本でも朝鮮半島でも離婚が簡単に認められているのはちょっと意外でした。
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