「ワンザウーマン」第16話(最終回)あらすじと感想
直接対決
機械がたくさん並ぶ大きな地下室でイスに縛られ座らされているヨンジュ。録音ペンをソンヘに渡したノハッテにしつこく電話してレストランに呼びつけたまではよかったがそこで薬が混入されたグラスウォーターを飲んで意識を失い今目が覚めたところ。目の前にソンヘが座っています。
「あったま痛い。ノハッテおじさんはどんだけ薬を飲ませたのよ!」
「あなたが死ぬ姿を目の前で観たいと言った私の言葉を考慮して致死量直前で注ぐのをやめたのね。」
「ハンソンヘ会長。私が一番得意なのは1対1の空間で容疑者に自白させる事なのよ。どんな手を使ってでもね。」
「そのざまで私を取り調べるつもり?」
「今日はお願いをするわ。自首して。あんたがハンガンシク社長を殺して私のおばあさんをひき逃げした時の録音を全部聞いたわ。あの時は事故だったじゃない。」
「まだ自分の事を検事だと思っているようね。自首したってどっちにしろ法律は強き者の味方よ。あの時だって私が殺した事誰にも知られなかったじゃない。」
「あの時ユスンドク検事が自分の出世のために事件をもみ消さなかったら、あんたもここまでしなかった。今からでも自首して。本物のカンミナを車で挽き殺そうとした事、すべてを賭けて追っていたイボンシクを殺した事、貯水池でチャンソクフ夫婦を殺した事。すべて認めて自首して。」
「私が何故?証拠あるの?私は命令しただけだから証拠なんてないわよね。だからあなたも私に自首しろと頼んでいるのでしょ?」にやにや笑うソンヘ。
「あの人たちね。私の手が血で汚れなくてもみなうまく死んでくれたわ。あなたも本物のカンミナもすぐにそうなるから。」
にやけるヨンジュ。
「あんた一体何人の殺人教唆を認めているのよ?」
「財力、権力などを使って殺人を犯した場合死刑、無期懲役又は5年以上の懲役。言ったでしょ。私は望む答えを引き出すのが得意だって。」
シナリオの相談
ヨンジュはスンウク、ユジュン、ノハッテ、キム理事との打ち合わせを思い出します。
「私にハンソンヘの提案を受け入れて裏切りものになれと?(ノハッテ)」
「ハンソンヘがノハッテおじさんを味方につければ次は私に目を向けるわ。(ヨンジュ)」
「しかしハンソンヘがそこまで私を信用するかな?(ノハッテ)」
「だからお宝中のお宝を差し出すのよ。盗聴ペンメモリのオリジナル。あとはハンソンヘが言うがままに従ってね。私を殺そうとするならセットアップして。」
「そんなのだめだよ。君の命を担保にするなんて。(スンウク)」
「それくらいしないとだめなの。一度ステージに上げれば全部話させるのは得意なんだから。」
「でも自供だけで起訴できるかな?(ユジュン)」
「公共にさらして赤恥をかかせるのです。(キム理事)」
逆転ホームラン
再びヨンジュとソンヘの対峙シーン。
「あんたが指摘するようにこの国の法律は力を持った者の味方。でもね、稀な事だけど弱者の味方になる時もあるの。それは一般庶民たちに公の場で事実を知られた時。」
「死ぬときになって頭が狂ったの?」
「だから弱者や無念の人たちにはもしやられるなら絶対監視カメラの前でやられろと言ってきたの。そうじゃないとやられ損。裁判では勝てやしない。」
「今日私はなにもしてないわ。あんたが一人暴走して自爆したの。悪党を暴走するようたきつけるとガードが緩むからね。」
上を見るヨンジュ。彼女の目線を追いソンヘの目も上へ。そこには録画中のアクションカメラが数台設置されていた。
街中では中継を見たユーチューバーたちがソンヘとユスンドクを非難して騒いでいます。
「あんたがしゃべった言葉、最初から最後まで全部生中継されたから。」
スマホで中継画面を確認したソンヘはあたふたとそこを逃げるように去っていきます。
入れ替わりでやってきたスンウク。ヨンジュの縄をほどきます。
「大丈夫だった?」「ここ生放送されてるから早く出ないと。」
しかしスンウクはヨンジュを思いっきり抱きしめます。
これはこれでユーチューブで大盛り上がり。
それぞれの動き
ユスンドクはネットで吹き上がるユスンドク逮捕要求の嵐で真っ青になります。
家に電話して妻に金目の物をすぐにどこかに移せと指示します。先輩検事に電話して前回自分が不正を見逃してあげたので今回自分をよろしくと頼むが電話を途中で切られます。
ハンジュグループ役員会議でソンヘは人間あまり腹が立つと自分でもわけがわからない事を言いだす事があり、あの場合もそういうケースだと弁明します。
ネット上の動画は本人同意なしのものなので証拠にはならないと主張する事が可能、フェイクだと騒ぎ立てる事もできる、ネット上に流れているものをすべて消し、地上波ニュースで流さないよう圧力をかけたと法務チームスタッフたちが説明します。
いっその事罪を全部チョンドウがした事にしようと提案する別の役員。証拠は全部こちら側が確保しているので大丈夫だと余裕を見せる別の役員。
ノハッテが手土産を持って戻って来た。盗聴ペンメモリ原本、イボンシクのリスト、カンミナが提供した不正暴露USBなど。「人をこき使って。それとあのカメラ設置するのにどんだけ大変だったか。」とぶつぶつ言います。
チョンドウのエピローグ
検察取調室で向かい合うユジュンとチョンドウ。
「ちょっと休暇をとりなさいという言葉が殺しの暗号でした。(チョンドウ)」
「カンミナ、イボンシク、チャンソクフ夫妻、美術館館長。この人たちの殺人および殺人未遂はすべてハンソンヘ会長が教唆したものだと認めるのですか?(ユジュン)」
「はい、認めます。」
「14年前の事件もハンソンヘ会長の指示だと認めますか?」
「はい。認めます。」
「急に前証言を撤回した理由はなんですか?」
「あまりにも無念で。。。」
チョンドウの妹は彼が入社したタイミングで肝不全になり入院する。そしてハンソンヘは彼を手なずけるため治療費を援助し続けます。チョンドウは面会に来たスンウクからショッキングな話を聞かされます。「問題は何度か肝臓移植受けられるタイミングがあったにも関わらずハンソンヘが医者の手術提案をすべて握りつぶしていた事。(スンウク)」発生から14年経っているので妹の体はどんどん弱っていると告げる医者の言葉をスンウクはチョンドウに伝えます。ソンヘはチョンドウに自分の悪行を代理させるために妹を生殺しにしてチョンドウを飼い殺しにしたという事になります。(妹の情報をスンウクに教えたのはキム理事)
パクソイのエピローグ
ハンソンウンと長期間不倫を重ねて来たニュースアンカーパクソイ。今日はアンカー最後の日。ハンソンヘが二人の不倫関係を芸能タブロイド紙に流したせいで解約を言い渡された。
今日のトップニュースはハンソンヘの殺人教唆疑惑。だがオンエア直前にディレクターからハンソンヘ関連のニュースは一切出すなとストップがかかります。
3,2,1。スタート!
「速報です。本日ハンジュグループハンソンヘ会長の悪行がライブで公開され騒動になりました。(パクソイ)」
「あいつ何やってるんだ。」ざわつく報道スタッフ。「お前気でも狂ったか」と怒鳴るディレクター。
イヤホンを外すパクソイ。
「このライブを見逃した視聴者の皆様に我がSBCで詳細をお届けする予定でしたがハンジュグループがこの件に一言でもふれたら広告から全面撤退すると脅迫してきたので報道をお伝えできません。事実だけをお伝えしなければならないニュースアンカーマンとして謝罪いたします。」頭を下げるパクソイ。
「報道を止めようとするからにはそこに何か理由があるはずです。」
(パクソイの今後に対する予想:パクソイはほぼ間違いなくテレビアンカーマンとしてそのまま生き残るでしょう。もしクビにすればハンジュに屈したという事になり誰もこのテレビニュースを見なくなります。他のテレビ局もハンジュのニュースを差し止めたと思われるのでパクソイはヒーローとして扱われ人気と視聴率はうなぎ登り。この報道が与えた彼女のクリーンなイメージから政界進出もありえると予想します。)
ソンヘの近況
会長室に秘書がやってきます。「事情聴衆要請はどうなされますか?」「出ないわよ。」「しかしイメージが。。。」「出ないといったでしょ。二度言わせないで。」
国会議員や大臣に電話をかけますが対話を拒否されたりワン切りされます。彼女の電話をきちんと受け取ったのはユスンドク。彼は事務所に酒を持ち込んで酔っ払っています。政界のコネを使って自分を助けてくれと泣きつきますがソンヘは自分から電話を切ります。
床に額をこすりつけて大声で「わぁー」と狂ったように4回叫びます。
ユジュン、スター検事になる
ヨンジュが検察の建物を出ると数十人の記者たちに囲まれます。「ハンジュグループのほとんどの役員を起訴しましたが最後までやるつもりですか?」「ハンジュグループと関りがある暴力団組織も一緒に起訴しましたが両方同時に宣戦布告した理由はなんですか?」
「どういう意味ですか?(ユジュン)」
「検察官として目標があるなど、ございますか?」
「僕は何かを決意して起訴したわけではありません。ただ罪があると判断したから起訴しただけです。それが検事の仕事だと思いますが。」
ユジョンの島流しは取り消されソウル中央地検に栄転となりました。
愛の確認
ミナが昏睡から抜け出しました。連絡を受けて病院の前で待ち合わせをするヨンジュとスンウク。この前会った時にミナのスンウクに対する変わらぬ気持に気づいたヨンジュはちょっと複雑な心境。
「ミナさんが君と会いたがってるよ。さぁ行こう。」「先に行って。」「自分ひとりで?」「久しぶりの再会だから二人で込み入った話もありそうだし、心も複雑なようだし。」
ヨンジュの右手を両手でやさしくつかむスンウク。
手をつないで病院の中に入る二人。その様子を病室の窓から眺めるミナ。彼女の恋は終わりました。
ミナの感謝
病室でヨンジュを暖かく迎えるミナ。「会えてうれしいです。カンミナです。」「オッパも久しぶり。」
「わたしたち本当によく似てますね。」
「そうですよ。お父さんにしつこく聞いたんですけどね。お母さんから生まれた子に間違いないそうです。でもそのまま財閥の娘で居続けろって。」
「私も叔母さんに確認したんですけど分娩室でお母さんが私を産み落とすのを直接見たそうです。」
「ところで本意ではありませんがその間カンミナさんの名をかたり申し訳ありませんでした。」
謝らなければならないのは自分だとミナは言い、ハンソンヘがヨンジュを自分と間違えて殺そうとした事からすべてが始まったと話します。
ミナはソンヘが自分を麻薬患者にして精神病院にでも送るつもりくらいに思ってたいたが自分が甘かったと話し自分の愚かさを認めます。
「飛行機事故があったので逃げずに済んだじゃないか。」「いいえ。飛行機事故後にそのままあそこに残っていれば誰にも知られずひっそりハンソンヘに殺されていたわ。」
ミナは逃げるつもりだったが二人の姿を見て自分が臆病者だと悟り、ハンジュグループの弱点を探すために戻って来たと話します。
ヨンジュの手を掴むミナ。
「今までの私の人生ってつらい事ばかり。でもそんな中でもきらりと光る贈り物もあったわ。わたしにとってお二人はそのような存在。二人にはすまないとおもい、感謝もしています。ありがとうございました。」
ミナの復讐
ひさびさにハンジュ家に戻ったミナ。居間で鬼姑が一人寂しそうに座っています。ミナを見ると元気10倍。悪態マシンガントークをはじめます。
「お話があります。話が終わればすぐに出て行きますので。」
ミナはソンヘがハン会長が長兄ソンチャンを副会長に指名した後すぐに殺したと暴露します。そしてその事をソンウンは知っていたにも関わらずソンヘが怖くて口に出せなかったと伝えます。「嘘だとおもうのなら本人に一度確認してみてください。」
「ハンソンヘ専務からこの事も自白させようと思いました。ですが今の状況で殺人が一つ増えたところで大勢に影響はありませんのでお義母様のお耳にだけ入れておきます。」
「黙りなさい。すぐに出てお行き!」
「 お義母様 は私をいじめた過去の事で刑務所に行く事はありません。しかしお義母様が一番愛した息子の命を娘が奪いそしてそれを知りながらも次男は黙っていました。この事実をかみしめながらお義母様は自分が作った檻の中で一生閉じ込められて暮らしてください。」頭を下げ立ち去るミナ。
「うわー」、 「 キャー」、 「 ぎゃぁー」、「 あぁぁぁぁ」。ミナが立ち去ったあとに鬼姑の絶叫が屋敷中に響き渡ります。
ハンジュ家その後
ニュース報道その1
ハンジュグループは総会を開きハンジュファミリーメンバーを全員役職から解任する事が決まりました。ハンジュグループは財閥の中で株主たちがオーナー一家を追放した初めてのケースとなりました。
ニュース報道その2
ハンジュグループは新しいCEOにハンスンウク氏を選任いたしました。
ニュース報道その3
京畿道の貯水池でハンジュグループのハンソンヘ会長と見られる死体が発見されました。ハンソンヘ会長の会長室には遺書が残されていました。
サイダー
顔をマスクとサングラスで覆い、大きな帽子をかぶる怪しい女が中型バッグを手に空港ロビーを歩いています。女性にぶつかりパスポートと航空券を落とします。
ぶつかった女性はヨンジュ。パスポートと航空券を拾い上げながら言います。
「あーら、ベトナム行きですか。ベトナムのことわざにしっぽが長ければ踏まれる(悪事を長く続ければ見つかるという意味)ということわざがあるの知ってますか?」
「あんたがどうして?」サングラスを取って顔を見せるソンヘ。
「私はね、あなたたちのような人間をよく知ってるの。根っからの卑怯な人間は自殺できないの。死が怖いから。だから死体をくまなく調べてみたの。服、アクセサリー、靴、時計。全部あんたのものだったわ。でもね下着が違うの。私が一時あんたの家でお手伝いさんのようにこき使われてあんたの下着を手もみ洗いさせられた時の下着と違う物だったの。最後まで姑息な手段を使って逃げ出そうとして。」「何回言わせるのよ。自首しなさいよ。」
ソンヘは持っていたバッグをヨンジュに投げつけてダッシュで逃げます。
「あんたの対面もあるから品よく対応したのにこりゃあだめだわ。」
ヨンジュはバッグをボーリングのボールのように地面に滑らせます。
滑らかに走るバッグがヨンジュの足を直撃。ソンヘはボーリングピンのように崩れます。
「ストライクアウト!」
空港警察官たちに囲まれるソンヘ。
その横で子供がおいしそうにサイダーを飲んでいます。
ノハッテのエピローグ
スンウクパパのお骨の前でお祈りするノハッテとスンウク。「事件も解決したし社長(スンウクパパ)に対する心の借りも返せた。借金もないし、会社もやめた。」「おいスンウク。これからはただのおじさんやるから。」
ノハッテはこのあと私設弁護士事務所を開きます。
ヨンジュパパと兄弟分たちのエピローグ
魚屋レストラン2号店がオープンした。ヨンジュがお祝いに駆け付けるとテチが拗ねている。「まだ怒ってる?警察署にちょこっとしょっぴかれたくらいでそんなに怒らないでよ。」「警察署に連れてかれたから怒ってるんじゃねえ。お前はノハッテさんと組んで最初から八百長してたのにそれを俺たちに黙ってた。それが気に入らねえ。」店の中に入っていくテチ。「ところでお父さんどこ?」「教えない」と答えるピルギュ。
うしろからヨンジュパパが現れる。「なによ。店先が花輪だけなんてしょぼいじゃない。もっとぱーっと宣伝しないと。」「お前はずーっと塀の中にいた俺より世間をわかってないな。今はSNSの時代なんだ。アプリ作ってクーポンバラまいて。チラシでお客は釣れないよ。今夜はもう予約で埋まってる。」
中に入ってテーブルに座る二人。ヨンジュが栄養ドリンクをパパに突き出します。
「出所したばかりなのに何故レストランなんか開業するのよ。休んでればいいのに。」
「でも元気そうでなにより。」「。。。。」
「もう行くのか。」「ヨンジュよ。」
ヨンジュが話を止めに入る。「へんな言葉、うざい話は禁止。」
ナプキンくれと言っただけだと話すヨンジュパパ。
「もう行くから」と出て行くヨンジュ。「体に気を付けろよ。」「はい。」
ヨンジュは外に出て行きますが戻ってきてパパを強く抱きしめます。二人は本当の仲直りができました。
親子和解のシーン(下記You Tube 3分0秒くらいの所から)
カンミナとカンウナのエピローグ
ユミングループの役員会議。「ストレスたまってしょうがないわ」と役員たちの前でぼやくカンウナ。ヨンジュ釈放の条件でスンウクから彼のユミン権利を譲り受けた彼女は今は理事長。
「何故株主たちは私を責めるのよ。専門家たちに経営をまかせろだの、退任しろだの、ヤジを飛ばしたり。私が誰かと結託してお金を横領したとでも言うの?」
「それは理事長が意味のない財団基金をたくさん設立しているからです。だから株主たちが理事長がマネーローンダリングしていると疑いを持つのです。(カンミナ)」
ロビーで独り言を言うカンウナ。「あいつの頭一発ぶん殴りたいわ。目ざといし。」「やっと偽物が消えたのに本物があらわれて。しかも手ごわい。私の春は短かった。こんちくしょう。」
ハンジュファミリーのエピローグ
練炭運びのボランティアをしている鬼姑、ソンウン、ソンウン妹、兄嫁の4人。
ソンウンは不満たらたら。「こんなところでボランティアショー見せるより税金もっと支払ったほうがお国のためになる。」「ところで義姉さんはなぜ戻ってきたの?」
鬼姑に反抗していったんは実家に戻ったがそこでは男兄弟たちとその息子たちの支配体制が確立されていて居場所がなかったと兄嫁は説明する。
「そこがポイントじゃないでしょ。スンウクオッパがハンジュグループを独り占めすると思っていたらあっさりと専門家集団経営体制に変えてしまったのでこれから先ソヌ(兄嫁の息子)にも芽があると期待したんでしょ?(ソンウン妹)」
「それほどよくわかっているなら黙って作業に集中しなさいよ。お義父様は経済犯など犯罪のうちに入らないと言って出所後の復活のために歯を食いしばっておられるの。私たちも世間によく見せてお義父様をお助けしないと。(兄嫁)」
「ところでお義母様はすごくお変わりになられたわね。覇気というものがまったく感じられない。(兄嫁)」
黙々と練炭リレー運び作業を繰り返す鬼姑。
「96,97,98,99,100。」刑務所の鉄格子の中でハンヨンシク会長が屈伸運動をしている。
そこからすこし離れた鉄格子の中でユスンドクも同じく屈伸運動をしている。「私は負けない」とユスンドクは一人つぶやきます。
ヨンジュの居場所
「ハンヨンシク会長だのユスンドク検事長だのそんな悪人たちが刑務所でスクワットしようがストレッチしようが興味ありません。私の耳に入れないでください。ところで新しい弁護士事務所はうまくいってますか?宣伝いっぱいしないと。(ヨンジュ)」
「口コミが物を言う世界なんだ。だから地道にやるさ。ところでやる事は決まったのか?(ノハッテ)」
「はい、決まりました。」「今まで私にはずーっと何かしらの課題が与えられていました。ですがそれがなくなってしまうと何していいかわからなくなりました。」「でもわかったんです。どこで何をしようと愛する人の隣が自分の居場所だと。」
ユジュンのエピローグ
「本当にこの部屋を他人に貸してもいいの?(ユジュン)」(ヨンジュやスンウクが借りていた豪華アパートはユジュンファミリーの持ち物だったんだ!)
「その間こんないい部屋を安い家賃で一度も値上げしないで居させてくれてありがとう。」
「こちらこそありがとうだ。」「何よ急に。」
「ヌナをいつも一人で待っていて。ヌナはその事を忘れて。おかげで待っている時間勉強たくさんできたし、研修の成績もよかった。」「それと僕にすまないと思ってくれなくてありがたかった。だからヌナに普通に接する事ができた。」
手を差し出して握手を求めるユジュン。「今回は本当にお別れみたいだから。」
「誰か言ってたんだけどつらい人生の中でたまに贈り物のような人がいるって。わたしの贈り物はどうやらあんたみたいだね。」「元気でね。」
うるっとくるユジュン。
LAの星空
ロサンゼルスの星空展望台。アメリカの子供たちと一緒に星を眺めるスンウク。望遠鏡をのぞくひとりの女の子が質問します。「ミスターハン。星と地球の距離はどうやって計測するの?」「地球は太陽を周回しているので時間によって星の位置が変わるんだ。そしてその位置の差を計って計算するのさ。この計算方式はannual parallax(年周視差)と呼ばれているんだ。」にっこり笑うスンウク。
「どうして急に微笑むの?」「 Annual parallax は韓国語でヨンジュ・シチャって言うんだ。この言葉は僕を心地よくさせてくれるんだ。」「何故?」そこにヨンジュが現れる。
微笑みあう二人。
謎かけのファイナルエピローグ
それから一定の時間が流れる。ソウルの空港歓迎出口から出て来たヨンジュとスンウク。「試験合格して最初にやりたいことがジョッペンイ(豚と貝の炒め物、韓国料理)を食べる事だなんて。。。」「しかたないでしょ。アメリカにはないんだから。」
「チョヨンジュ米国弁護士試験合格おめでとう!」と書かれたボードを持ち上げノハッテが待っていました。 ジョッペンイ をヨンジュに手渡します。出発前にスンウクが頼んでおいたものです。「いつまでも人をこきつかって、まったく。」
「????? 」スンウクとノハッテが楽しく会話してるなかヨンジュは通行人の後ろ姿から異様な雰囲気を察知します。
ヨンジュからは見えませんが前からみるともう一人のドッペルゲンガー(そっくりな人)で感じはパンクロック風です。
彼女が遠のくのを見送るヨンジュ。そして何か悟ったかのようににやりと笑います。(終わり)
エンディングはサムゴリ派やキム理事を含む出演者総出演でテーマソング「ギターでバイクに乗ろう」を歌って踊るインド映画風の大円団フィナーレでした。次回のあらすじは今週週末からスタートするソンヘギョ主演の「今、別れる途中です」を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。
「ワンザウーマン」の強力なライバルにtvN局の「智異山」があります。制作費は通常ドラマ費用の倍にあたる30億円、主演は韓国ギャラNo.1女優チョンジヒョン、脚本はZEROが刑事ものの中では一番秀作だと思っている「シグナル」のキムウンヒ、演出は「太陽の末裔」のイウンボク。2021年一番の話題作です。しかも30億円ほどの制作費はすでに中国バイヤーたちからの版権ですでにカバーしているので初放映から黒字スタートというのだから驚き。2作品を比べるとどれをとってみてもA級とB級くらいの差があります。ですが蓋を開けてみると 「ワンザウーマン」 の圧勝。視聴率ではダブルスコアに近い差があります。
最後の謎かけの意味
「智異山」 を叩き伏せるくらい視聴者から支持を受けた「ワンザウーマン」ですから最後のドッペルゲンガーはシリーズ2の伏線と見るほうが自然でしょう。 ジョッペンイ は実は韓国に戻るスンウクへの口実でヨンジュはアメリカで自分のそっくりさんが悪さをしているという情報をキャッチしていてそいつをぶっ飛ばすための帰国だったのかもしれません。その疑惑が空港で確信となりにやりと笑います。(あくまでも推測です。)ではもう一人のドッペルゲンガーは誰か?ずばりハンソンヘです。最後の方の刑務所シーンに彼女は出てきませんでした。脱走したのです。ヨンジュを殺したいほど憎む人間はハンソンヘ、ユスンドク、カンウナの3人。ユスンドクは男だから無理。カンウナは年齢的に無理。顔を変えてまでヨンジュを陥れたいサイコパスはやはりソンヘしかいません。とはいうもののミナとヨンジュを双子だと適当な事をいいました。話半分で聞いてください。
シリーズを通した全体的な感想
愉快痛快アクションロマンス劇でした。見終わってからもう一度繰り返しじっくり味わいたい作品。演出や脚本で粗い部分もありましたがとにかく楽しかったです。ちょっとしたマイナス部分など軽くぶっ飛びました。一番の魅力はイハニ。この人本当に面白おかしいく愛しいです。イハニという女優はこの作品まで知らなかったのですがいくつポケット持ってるのと思えるくらいいろんな演技ができます。優雅で上品でゆったり口調のカンミナ。ミスコリア、ミスインターナショナル4位、音楽分野で博士号、英語とフランス語堪能の経歴イメージとよくあってます。しかしチョヨンジュときたら口汚い、早口、胸のすくような啖呵、男前の気っぷ、スター映画でも主演を晴れそうな華麗で美しいアクションと戦闘シーン。でも一番すごかったのは百面相の顔の表情。この人はドラマ中ほとんど泣かなかったので涙という一番強い武器なしでいろいろ面白い表情を見せてくれました。すっかりイハニロスです。
ストーリーも脚本もよかったですが「ワンザウーマン」は映像でイハニを楽しむドラマでした。視聴する機会があればぜひおすすめいたします。
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画面が浮かんでくるような見事な文章でした。喜々として読ませて頂きました。ありがとうございました。