「赤い袖先」第17話(最終回)あらすじ
悲しい日
嫡男スン(ムンヒョ世子)を抱きかかえ見守るサン。心配顔の大妃と恵慶宮(イサンの実母)。
「王様。いろいろ手を尽くしましたがもうこれ以上は。。。(典医)」
館の外ではドクイムが待機している。「私も世子に会わせてください。」「なりません。ウィビン(ドクイム)ははしかを患った事がないので免疫がありません。お腹の子供にさわります。」
ムンヒョ世子を襲ったのは国全土で流行しているはしか。都でもすでに100名以上の子供が死んでいます。
2人の親友に支えられるドクイム。「ウィビン様。世子様のお祈り台をあちらに用意しました。(ギョンヒ)。」「お水はイナン山の湧水を今朝汲んできました。あちらでお祈りをいたしましょう。(ボギョン)」
3人が移動する途中悲報の号令。「ムンヒョ世子がお亡くなりになりました!」
「へんね。変な声が聞こえるわ。幻聴かしら?」そうつぶやきながらドクイムはよろめき膝をつきます。そして号泣します。
(サンの嫡男スンが亡くなった。享年5歳。ドクイムは側室になってから通算5回懐妊した。2回は流産。その他男の事と女の子を産み落としたが女の子は生後二か月で死亡。そして今お腹の中に子供がいる。)
もう悲しむな
御前会議。喪服姿のサンは臣下たちにムンヒョ世子だけが自分の子供ではないので悲しむことを辞めろと言い、朝鮮のすべての子供を流行病から救うため全力を尽くせと命令します。
布団に横たわるドクイム。恵慶宮が差し出すお粥のスプーンを拒否します。「申し訳ありません。」
サンがやってきた。いつまで悲しみ続け、食べるのを拒むのかと怒鳴ります。「このまま死ぬつもりか?」「申し訳ありません。」
サンは恵慶宮とソ尚宮を退けさせ、ドクイムに着ている服、住んでいる館、食べている物はすべて税金で賄われているので貴族として民の前で毅然とふるまわないといけないと話します。
「官位なんて自分が望んだわけでもないのに。ビンだから自分のお腹から生んだ子供の死を悲しんではいけないのですか?」
「世子だけが私たちの子供ではない。お腹の子供の将来はすべてお前にかかっている。父親の私でさえ何もできない。」
「余は世子を守る事ができなかった。余をいくら憎んでもいい。だが母親としての義務は果たしてくれ。」
(実はサンは猛烈な子煩悩。ムンヒョ世子をドクイムと同じくらい愛していました。ムンヒョ世子に対するまめな直筆の記録がたくさん残っていて親ばかぶりを発揮。世子が死んだ時には「もう世子の痕跡を感じる事が出来ない」と文で嘆き、彼がどれほど悲嘆にくれたかを教えてくれました。恐らくサンの人生最良の日々はムンヒョ世子が生まれてからの5年間です。)
ドクイムに元気を出せと告げた後サンは一人自分の部屋で号泣しています。
友達の死
ドクイムにとって自分の命と同じくらい大切なのはギョンヒ、ヨンヒ、ボギョンというい3人の親友たち。
しかし最近ヨンヒが顔を見せない。
ギョンヒとボギョンに問い詰めるとボギョンが泣きだします。「妊娠中のお体にさわってはいけないと止められてたのですがウィビンには嘘を付けません。ヨンヒはすぐに死にます。宮内の男性と密通して妊娠して流産。それが監察尚宮に見つかり死罪決定。今牢につながれています。」
牢獄に直行するドクイム。老女官に止められますが、「私を誰と心得る!」とドクイムにしては珍しく権力をちらつかせて強引に牢屋の中に入ります。
「ヨンヒ、ごめん。自分の子供の事ばっかり考えていてあんたの事忘れてた。」「誰がこんな目にあわせたの?」
「ウィビン。私は無垢な子供じゃないから。全部自分で決めました。自分が望む事をしたのです。だからその代価が死でも後悔してないです。幸せでした。」
「こんなふうに死ぬなんてだめよ。」
「ウィビン、もう帰ってください。ねえ。ドクイム。もう戻ってね。」
王の仕事
牢獄からの帰宅途中ドクイムは倒れます。
気が付くと自分の部屋。サンが座っている。
「お腹の子供は?」「大丈夫だ。」
「すまない。守らねばならぬ法がある。そして誰もが法の前で平等でなければならない。たとえお前の友達であっても。法を守るのが王の仕事だ。」
「承知しております。王様が例外を作らない人だという事を。だから最初からヨンヒの助命を頼みませんでした。」
「お願いがあります。一人にさせてください。」
子供の頃の約束
「ヨンヒ、私の事恨んでないかしら。」「ヨンヒは人を恨むような人ではないですよ。(ギョンヒ)」「こんな話ってどうかしら。ヨンヒは実は生きていた。仮死状態で宮の外に連れ出され、息を吹き返して幸せに暮らす。そんな話ウィビンが子供の頃してくれました。(ボギョン)」
「ヨンヒは先に行って私たちを待ってくれています。子供の頃私たち4人で約束したでしょ。老婆になって宮を追い出されたら本屋の隣に小屋を借りて本を読んで豆を炒って暮らしていくと。」
「じゃあ、ヨンヒと又会えるんだ。(ドクイム)」「もちろん。でもあのしょうもない男から離れたくないと言ったらどうする?」「髪の毛ひっぱってでも連れてこないと。(ギョンヒ)」
とにかくこれから残った3人は先に逝きっこなしの約束をして手を重ね合います。
3人ともすこし元気を取り戻しました。
私が悪うございました
サンの前に座るドクイム。「私が悪うございました。子供を亡くした母親が大勢いるのに自分の事ばっかり考えて。」
王様だからこそ他の人より余計につらかったはずだとドクイムはサンを気遣います。
「余を憎んではおらぬのか。お前の親友を助命する力を持っているがそれをしなかった。」
「最初から知っていました。そういう事をしない方、できない方である事を。」
「王様。来年の春に花が咲きますね。」「別館の事か。」「ええ。木の花が咲く頃にはすべて大丈夫です。そしたらお花を見に行きましょう。王様が世孫で私が女官だったあの夏のように。何事も心配事がなかったあの時のように。」
サン倒れる
御前会議。腹心ソゲジュンが忙しく働くサンの体を心配している。
「王様。恵民署(国が運営する貧しい民のための無料医療所)で3日もお泊りになられました。目の病気を感染されたとか。どうぞお体にお気を付けください。」
そこにシムフィウォンがやってきます。この人は第13回から登場。ホンジョンヨ亡きあとの老論派の代表格。なにかにつけてサンの意見に反対します。やりすぎて逆にサンにやりこめられ家臣たちから笑われた事もあります。
「キムギジュが流刑地で死にました。」キムギジュは大妃の兄。ドラマでは老論派のリーダーと描写されておりますが実際のリーダーは大妃でキムギジュは切り込み隊長、親衛隊長的な役割。サン即位後に流刑に処されます。
大妃に報告に行こうと会議を抜け出そうとするサンですが倒れます。
恵慶宮(ヘビン、サンの実母)が大妃にお見舞いに行きます。「何しに来たの?」「兄君がなくなったと聞きましたのでお見舞いに。」「何故王様はこないの?」「こちらに来る途中に倒れまして今は療養中です。」「なら王様の看病に行きなさい。」
「私は籠の中の鳥。兄上が亡くなっても葬式に行けないし喪服も着れない。」
「!!!」
サンが目を覚ますととなりでドクイムが看病しています。「余は風邪を引いておる。お腹の子供にひびいたらいかん。下がれ。」
「いいえ。看病します。」「来いと言ってもこないし、下がれといったら下がらない。お前は本当にあまのじゃくだ。」
「では王様が眠りにつくのを見届けてから下がります。」
サンは布団の下から「詩経」という漢字の本を取り出します。(サンが英祖から外出禁止を言い渡された時にドクイムが呼んでくれた本です。)「ではこれを読んでくれ。」
ドクイムが朗読すると途中からサンが暗唱します。
「大切な人たちが次々去って行った。でも二人はここにいる。だから耐えられる。そうだろ?」
ドクイムは手のひらでサンの涙をぬぐいます。
「熱いな。余ではない。お前の手だ。」ドクイムの額をさわるサン。「熱がある。いつからだ。」
「王様は強いお人。だから大丈夫でしょう。」
布団の上で座るサンに前のめりになって倒れます。
「ドクイム!ドクイム!」
まだわからないのですか?
ドクイムは昏睡状態。サンは布団の横で一生懸命看病しますが王様なのでつきっきりにはなれない。
3日後にドクイムが目を覚まします。「今すぐ王様をお呼びしますから。(ソ尚宮)」
ソ尚宮の袖を弱弱しくつかむドクイム。「いいえ。ギョンヒとボギョンを呼んでください。」
ですがソ尚宮は王様を連れてきます。
「目を覚ましたか。」ドクイムの手を握るサン。
「ソ尚宮。ボギョンとギョンヒを呼んだではないですか。早く彼女たちを連れてきてください。時間がないから早く。」
「死ぬ前にあの娘たちに会っておかないと。」
「お前は余に会いたくなかったのか?」
「王様はだいじょうぶです。王様は守るべき人たちから守られます。でも親友たちには私しかおりません。先に逝ってしまうのがすまなくて。」
「余が悪かった。お前がいまだに女官で、余が側室になる事を強制しなかったら、こんな事は起きなかったのではないだろうか。。」
「王様。私を慈しんでくれましたか?」
「ああ。」
「でしたら来世で偶然見かけたとしても知らないふりをしてください。」
「王様を恨んでも憎んでもおりません。ただ来世では好きなように生きてみたいです。」
「お前は余をほんの少しだけでも愛した事はないのか?ほんのちっぽけな心も余にくれなかったのか?」
「私の事がまだわからないのですか?」「好きでなかったらどんな手段を使ってでも遠くに逃げ出していたでしょう。」
「王様の横に留まったのは私の選択でした。それがおわかりになりませんか?」
ドクイムは王様の顔を触ろうとしますが、それがかなわず命尽きます。
「ドクイム。余が悪かった。余を置いて行かないでくれ!うわぁー!」
側室鑑定
(ムンヒョ世子と妊娠中のドクイムを失いサンの跡継ぎがいない。ドクイムの享年は34歳。サンは一つ上なので35歳のはず。王家をまとめる大妃や恵慶宮が側室候補探しに走るのは当然です。)
3人の候補がサンの前に座らされます。
それぞれの顔を見た瞬間サンはお膳をひっくり返して立ち去ります。
「あれほど怒った王様を生まれてこの方見た事がなかったわ。」ソ尚宮が状況を親衛隊長に説明します。
「3人ともどことなくウィビン(ドクイム)に似ていたのです。」
「結局側室再鑑定が行われウィビンとはまったく感じが違うスビンが選ばれました。」
(スビンはサンの跡継ぎで第23代王になる純祖を生みます。)
「私は王様がそのような女性を選ばれ、なんだかうれしかったです。」
餃子スープの思い出
新しい側室スビンが手作りした餃子スープを内官が運んできてサンに差し出します。
スプーンで一口くちにいれようとするとサンはドクイムが作ってくれた餃子スープを思い出します。
形が悪い、味より真心などじゃれあって幸せそうな二人。
サンはスプーンを置き「悪いがスビンに食が進まないと言ってくれ」と内官に伝えます。
(サンは世孫時代に尚宮が差し出す食事を絶対食べ残さない品行方正なよいこでした。ドクイムの死はサンの鉄の道徳的戒律を乱れさせるくらい大きい衝撃だったようです。)
サンの決意
丘の上から都を見渡すサン。たくさんのギャラリーを引き連れています。
サンが心の中でつぶやきます。
ドクイムよ。余はお前を忘れる。できなくても忘れるふりをする。余は王だ。王がすべき責務を果たす。そうやって生きて来たし、これからもそう生きる。余はお前を忘れる。
月日が流れて
(それから十数年?どれくらい時間が経過したかわかりません。)サンは若干老け顔になって髭を生やしています。
道の石段に座っている老人。
「もし、官吏様。少しここに座って休んでいったらどうですか?」石段に座る平服姿のサン。
「官吏様はたしか50歳は超えておらんと言ってらしたね。」「ああ、そうだ。」(サンの享年は49歳ですから死去する少し前くらいですかね。)
「この爺は90歳に近いです。生涯4人の王様を見てきました。その爺が断言します。今のような平安な世の中は初めてです。」「この爺は老い、病気にかかり、目もあまりよく見えないがそれでも人間らしく生きている。国が面倒を見てくれているからです。以前は想像もできませんでした。」
「ねえ、爺様。下り道が急だから以前そうしたように今回もお手伝いしようか?」「大丈夫ですよ。一生歩いてきた道ですから。」
「それではお達者で。」
(この老人役の俳優はイスンジェ。韓国芸能界重鎮中の重鎮。ドラマ「イサン」では英祖を演じました。この時の実年齢も90歳手前です。)
軍事訓練
親衛隊長とともに軍事訓練を見学するサン。(サンは王即位後もクーデター未遂などで命を脅かされたので自分直属の強い軍を作る事にも心血を注ぎました。)
「あやつの弓の腕前はたいしたものだな。」「当然ですよ。私が直接仕込みましたから。(親衛隊長)」「あの者をここに呼べ。従事官の席が一つ空いておる。使えるかもしれん。」
拝礼する弓兵士。「どこかで見た事があるような顔だな。父親の名を申せ。(サン)」「ソンシクです。」「!!!」「お前はウィビン(ドクイム)の甥か?」「さようでございます。」
「あの者を従事官に任命せよ。」
「5日後はウィビンの命日だな。」「!!!」驚いて顔を見合わす親衛隊長と内官。「ひさしぶりです。王様の口からウィビンの名前が出るのは。(親衛隊長)」「長い間ウィビンの記憶を封印してきた。」
ギョンヒとの対話
自分に課したドクイム封印令を解除したサン。ドクイムの遺品探しを始めます。
御前会議大広間に現れたのはギョンヒ。
「堤調尚宮が呼んでもいないのに何故ここへ?(サン)」「いいえ。呼ばれました。ウィビンの遺品に関してお知らせに参りました。」
「そうであった。堤調尚宮はウィビンの親友であった。その事すら忘れていた。」
「そなた以外あと二人いた。一人は若い時に死に、もう一人は。。。」
「キム尚宮です。名前はキムボギョン。一昨年病気で亡くなりました。」
「お前も一人取り残されたか。」
「私めは一人ではありません。以前3人の親友と約束しました。絶対に再開すると。ですので今私めを待っています。ウィビンもそうでしょう。」
「ウィビンが何故お前を待っていると言うのだ!」机を叩いて立ち上がりギョンヒに近づくサン。
「余のビンであり余の人間である。いくら歳月が過ぎても私の物だ!絶対他人に渡さない。」
「ウィビンをお忘れになったと思っていました。でもそうではなかったのですね。(ギョンヒ)」
「ウィビンの遺品はムンヒョ世子が住まわれた東宮に保管されております。命令されればすぐにお届けいたします。」
「そうせよ。」
ドクイムの本心
東宮殿の居室で遺品の箱をサンに差し出すギョンヒ。
「よくぞ保管しておいてくれた。褒美をやろう。」「いいえ。自分が望んでした事ですから褒美はいりません。」
「ウィビンと話し方がそっくりだな。」「最後の時にウィビンはお前たちを探していた。。。。」
「お前たちでなく余が駆け付けたので失望していた。」「来世で見かけても知らぬふりをしてほしいと頼みおった。」
「王様。それはウィビンの小さな強がりです。」「強がり?」「小さな強がりでも言わないと持ちこたえられないと言われた事があります。」
「知っておられますか?ウィビンは心から王様のことを。。。」「黙れ!」
「余が何故ウィビンの本心をお前の口から聞かねばならんのだ!他の人間の口から聞く必要はない。」
「一人になりたい。下がれ。」
思い出の玉手箱
ギョンヒから受け取った物はドクイムとの思い出の玉手箱でした。ドクイムが差し出した反省文、ヨンビンの葬式に参加するために冒険した時にドクイムが来ていたちっちゃなチョゴリなど。サンは泣き笑いを繰り返します。
隠れ信奉者シムフィウォン
御前会議の大広間に二人でいるサンとシムフィウォン。
「いけません。ダメです。」
「いつも反対ばかりしてそちは疲れないか?」
「反対しているのではありません。時期尚早と言っています。奴婢を解放するには代わりの労働力に対する金銭的補償をしなければなりません。まず資金を調達するのが先決です。次は奴婢が抜けた後の労働力の確保です。」
「わかった。わかった。お前が正しい。」「えっ?」「なるべく早く問題を解決しろ。もう下がってよろしい。」
シムフィウォンはサンに歩み寄ります。「過去に私はこんな事を申し上げるとは夢にも思っておりませんでした。ですがあえて申し上げます。王様ほど民百姓をいつくしむ聖君はこの世の中どこにもおりません。臣シムフィウォンは王様を主として奉仕できて幸せです。」シムフィウォンは立ち去ります。
「あの爺さんがあんなことを言うなんて。ふふふ。」
(この時のシムフィウォンは左大臣。ホンジョンヨと同じ位。サンと長年対立する老論派の代表格。しかし2009年にサンが秘密裏にシムフィウォンに送った299通の手紙が発見されます。シムフィウォンはどうやらサンの隠れ信奉者のようです。)
お前じゃないとだめ
宮に雪。布団で横たわるサンは昏睡状態から意識を取り戻します。
「煎じ薬に効き目があったようです。もう一度召し上がりますか?(内官)」
「いや。一人にしてほしい。」
寝床でドクイムとの寝屋物語を思い出すサン。
「何故私なのですか?全部揃っている女性達もなくさんいるのに。(ドクイム)」
「どんな女性もお前になれないから。」
「ドクイムよ。私は自分の節を少し曲げてでもお前を心の中に置いた。だから他は誰もいらない。お前でなければだめだ。」
夢
サンがうとうと眠りに落ちます。ぱっと目が覚めるとそこは楼閣。ドクイムの膝枕の上。第16話で御前会議を抜け出してドクイムにオアシスを求めた場面です。
「悪夢でも見られましたか?」「お前がここにいる!」
「もうお戻りにならないと。時間が過ぎました。」
門の前でドクイムに振り返るサン。
「余は先王とは違う。最後まで愛する人間を守る。」
門の外に出ようとした瞬間サンにドクイム最後の瞬間がよみがえります。
ドクイムの所に戻るサン。
花見をしようと持ち掛けます。「本当に遅れましたから、もう行かれないと。皆さまお待ちです。」
「ドクイムよ。長い年月が過ぎ、自分も時々よくわからなくなることがあった。お前に恋焦がれていたのか、あるいは過去が極度に美化されていたのか。」
「でも今はわかる。お前に恋焦がれていたし、お前と一緒に過ごした歳月に恋焦がれていた。」
ドクイムの手を掴むサン。「二度とこの手を離さない。」
「そうなされてはいけません。まだ戻れます。(ドクイム)」
「王様が帰るべき場所にお戻りください。」
「聖君にならなければなりません。今までそうであったように。」
「余がいるべき場所はここだ。もう時間があまり残っていない。」
「お前を待つ余裕はなかった。余を愛してくれ。お願いだ。余を愛してくれ。」
ドクイムはサンの懐に入り抱き着きます。そしてドクイムは自分からサンにキスします。
笑顔のサン。一人つぶやきます。
「これが過去でもいい。夢でもいい。死でもいい。お前と一緒にいるこの瞬間を選ぶであろう。」
「そして願うだろう。この瞬間が変わらない事を。この瞬間が永遠である事を。」
ドクイム心のナレーション。
「そして瞬間は永遠になった。」
「赤い袖先」第17話感想
第17話感想
「イサン」というドラマが大ブレイクし、韓国では誰でも知るようになったサンとドクイムの切ない恋。しかし夢というマジックを使って現実か幻想か過去か未来かよくわからないファンタジーワールドでほっとするエンディングに仕上げたので心地よく見終われたです。原作者の斬新なアイディアに敬意。
ラブロマンスであるにも関わらずドクイムに一度も「愛しています」と言わせなかった所も心憎いです。
惜しいのはサンとドクイムとムンヒョ世子の幸せな日々が描写されていない事。やっとの事でドクイムが側室になったと思ったら次の場面はムンヒョ世子の死です。本来17回目は予定になく、視聴率が急激に上がっているので付け足した回。1話余計にもらったんだからそんな視聴者サービスがあってもよかったですかね。
第17回は2022年1月1日ゴールデンタイムに放映。最終回は1時間40分と長かったでが視聴率は17.2%。韓国2021年ミニシリーズ第4位です。
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