「製パン王キムタック」第18話あらすじ
マジュンを諭すユギョン
ユギョンを玄関外に連れ出したマジュンはユギョンに壁掛けみたいに突っ立っているのがお前の仕事なのか、そんな事やらされるために父さんの会社に入ったのかと嘆き、新しい会社を紹介するからコソンを辞めろと説得します。
ユギョン:あんたって本当に楽に生きてるわよね。ちょっとやな事があってもかばってくれるママがいるし、トラブルが起これば簡単に解決してくれるパパがいる。私は違うの。どこの会社に行こうが底辺から這い上がらないといけないの。嫌な事があっても我慢する選択しかないの。こんな事で辞めたら私のキャリアは台無しだわ。些細な事で会社を辞めるのは私にとって贅沢すぎるの。あんたの口から私のプライドの話?まったく笑わせるわ。
手を引き離し若奥様の所に戻るユギョン。席を空けて申し訳ありませんでした。ご用事を申し付かるまでここで待機します。直立不動のユギョン。(これは相当手ごわい女だわとあきれ顔の若奥様。)
パルボンベーカリーの庭
パルボンベーカリーの風車ジングを訪ねたク会長。
ク会長:恨みも憎しみもすべて甘受する。私は息子タックに絶対会わなければならない。居所をおしえてくれ。
ジング:一度でもタック側から考えた事はありませんか?ク会長と会いたいのかどうか。奴の気持ちがわからないので勝手にしゃべれません。
試験が終わってからもう一度お越しください。それまで奴を動揺させたくありません。
ク会長:試験だと?まさかここにいるのか?答えろ!
ジング:お引き取りください。
ここで試験準備を金君と名乗る青年がしていた事、初対面のはずの自分を会長と呼んだ事などをク会長は思い出します。
『まさかあの子が。。。』涙するク会長。
口説いてるのはマジュンの方
重い足取りでタックと待ち合わせの時計台への階段を上るユギョン。
さきほどの若奥様とのやりとりを回想しています。
今回のいびりで会社をやめると思っていたユギョンが又戻ってきたのであきれる若奥様。
若奥様:私あなたを甘く見ていたようね。私とやり合うつもりなのね。
ユギョン:私の落ち度が何なのかわかりません。呼ばれましたから来ましたし用事があると聞きましたからここで待機しています。ご用命がないようであればこのまま失礼させていただきます。
ユギョンをひっぱたぐ若奥様(会長室に続き2度目。今回はコピー紙でなく平手)。若奥様を止めに入るチャギョンとチャリム。
若奥様:マジュンを賭けて私と戦うつもり?底辺にいるあなたが這い上がろうと高みにいるマジュンにアプローチするのを私が黙ってみているとでも?
ユギョン:恐れ入りますが奥様。言い寄っているのは私ではなくご子息の方です。ご子息が私を口説く姿を見たくないのであれば奥様がよくコントロールしてくださいませ。
一礼して立ち去るユギョン。
時計台での再会
時計台に到着したユギョン。タックとの約束時間は午後6時だが時計は午前零時。
諦め顔のユギョンにうしろから近づくタック。
タックを見たユギョンはそのまま泣きながらタックに抱きつきます。『ばかね。今何時だと思っているの?』『待ってたからこうして会えたんじゃないか。』ユギョンの顔が涙でくしゃくしゃになります。
ク会長マジュンをしかる
マジュンがパルボンベーカリーに戻るとベンチにク会長が座っています。
お父さんはここで何をされているのですかと聞くマジュン。
ク会長:何故黙ってた。お前の意図はなんだ。よくも2年もの間私に隠してたな。すぐ近くで一緒に生活してたのに。
何を言っているのかわからないとすっとぼけるマジュン。
ク会長:お前の兄タックの話だ。お前が気安く呼ぶお父さんという言葉をタックは私に一度も使ったことがない。会長と呼んでいる。私はお前をどう許していいかよくわからない。
立ち去るク会長。必死にあとを追うマジュン。違うんです。お父さん。僕は話すつもりだったんです。今認定試験があってそれであいつを打ち負かせばお父さんに堂々と報告するつもりだったんです。泣いて訴えるマジュン(たぶんウソ泣きではないでしょう。)
『あいつでなくお兄さんと呼べ』と一言言って車に乗って立ち去ります。
(マジュンはその屈折した性格ゆえにどの相手にも攻撃的です。タック、室長、母親そして時にはパルボン先生に対しても。ですがク会長に対しては一貫して従順です。他人や身内の苦言は上の空ですが、ク会長の苦言にはオロオロします。それはマジュンがク会長を死ぬほど敬い、愛しているからでしょう。彼の行動原理はお父さんに認められるか否かで決定されます。そしてそのお父さんが愛してやまないのが自分でなくタックだとよく知っているので彼を打ち負かす事がマジュンの目標になります。)
張り切るタック、左遷されるユギョン
ユギョンと2年ぶりに会ってデートしたタックは仕事にも気合が入っており、朝礼前に調理場の清掃、下処理などをすべて完了させています。
一方ユギョンは辞令によりだれもいない倉庫に移動させられ仕事をもらえません。もちろん若奥様の差し金です。
室長糸口を掴む
ユン先生の履歴書を調べる室長。
そこでチッサン診療所という職務履歴を見つけます。タックママが臨月の際に働いていた診療所です。
室長はそこで院長をしていたユン先生を思い出しました。さっそくユン先生が勤務している病院に『患者』として治療を受けに行きます。
室長の血圧を測るユン先生に対して『キムミスンは元気か?』と聞きます。『脅迫状や遺影写真倒しで俺がビビるとでも思っているのか?キムミスンの居場所を言え』と迫り、ユン先生の診察部屋をくまなく探します。
ユン先生に電話して危険だからしばらく会うのはやめましょうと話すタックママ。
世の中で一番面白いパン
パルボン先生は小麦粉、水、イースト菌、塩の中からパン作りに一番欠かせないものを差し出せとタック、テジョ(マジュン)、ミスンに指示します。
ミスンは小麦粉を、タックとテジョはイースト菌を前に出します。
第二次認定試験の課題は今前に出したものを使わないで『世の中で一番面白いパン』を作る事。食材は冷蔵庫にあるものならなんでも使ってよしとされ試験日は前回同様15日後と提示されます。
三者三様
イースト菌あるいは小麦粉なしでどうやってパンを作るんだと文句を言うタック、ミスン、テジョ(マジュン)。
ベーキングパウダーを使おうかなとタックが言うとベーキングパウダーは腸が弱い人には刺激になる場合があるからそういうものを使えばおじいちゃんに即失格させられると言うミスン。
ミスンは昨日のユギョンとのデートが気になってしょうがないのでタックにいろいろ聞きます。しかしもっと綺麗になってたとか試験が終わればデートで海に行くとデレデレ顔のタックに切なさをおぼえミスンは泣きそうになります。
一方ク会長にぴしゃりと言われて矢も楯もたまらないマジュンは弁明のためコソンビル会長室に向かいます。
マジュン無惨
会長室に入り必死に言い訳しようとするマジュン。ク会長は『今お前が何を言おうと言い訳にすぎないので聞きたくない』とけんもほろろにあしらいます。(ク会長はマジュンにたいして父親の情を見せた事がほとんどありません。このシーンも冷酷で残酷です。子供に何かを悟らせるような厳しさにも見えません。マジュンは自分の父親が室長という事を知っていますがク会長は知らないはずです。でもなんでここまで冷たくなれるんでしょうかね。タックにはあれほど愛情たっぷりなのに。)
父親があまりにも無視するので『頼むから僕の話も聞いてよ!』と泣きながら嘆願します。
マジュン:僕はお父さんが望む道を26年歩んで努力してきたのに数か月しか一緒にくらしていないタックがそれほど大切なんですか?何故僕は弁明すら許されないんですか?(本音でしょう。)
ク会長:私にはお前になんでも与えてきた。でもお前の兄タックには何一つ与えてやれなかった。
マジュン:僕がすべて独り占めしてきたから。。。だから僕を憎むのですか?
ク会長:タックが過ごしてきた苦労を考えると今でも胸がいたいし、息が苦しい。このような親心を少しでもお前が理解できるのならどうか帰ってくれ。
立ち去ろうとするク会長に膝を曲げて正座するマジュン。今度は泣き落としです。『僕は奴に勝ちたかっただけです。僕よりおとうさんが大切にするやつに。そして勝ったあとにお父さんに報告したかった。わかってください。』
マジュンの泣き落としにもマユひとつ動かさず冷たく『そこをどきなさい』と言い放って部屋の外に出ます。
外で立ち聞きしている室長。会長が立ち去ったあと室長が落ち込んだマジュンを励ますため手を肩にかけますが『俺に触るな!』『俺にかまうな!』と怒鳴り散らします。
悪魔のささやき
ユギョンが秘書室にいない事を知り転属先の汚い倉庫にユギョンに会いに行くマジュン。
マジュンの悲痛な顔から何か不幸があったと察するユギョン。
ユギョンを抱きしめたマジュンはユギョンに『お前をここまで落とし込んだ奴らを絶対に許すな!』と叫びます。ただ許さない人間の顔として回想に出てきたのは若奥様と室長でク会長はいません。
帰宅しようとするユギョンの腕をつかむマジュン。『今夜一夜を共にしよう。』
ユギョン:あんた、頭変になった?誰のおかげでここまで落とされたと思っているのよ?
マジュン:落ちるところまで落ちてプライドも気力も残ってないだろ。俺を利用しろ。復讐するんだ。俺も復讐する。
俺を好きになれとか俺だけ見てろとか面倒くさい事は言わない。
衝撃
ユギョンのアパートの前で自分の作ったパンを持ってユギョンの帰りを待つタック。
そこで車から下りたユギョンとマジュンが現れ、タックは物陰に隠れる。
ここでいいわと建物の外で別れようとするユギョン。マジュンはタックが見ている事に気付いていたのでユギョンの手を引っ張ってわざとタックの前でキスをします。
さっきの提案よく考えておいて。その気になれば俺も俺の持っているものもすべて手に入れられるしコソン家の女主人にもなれるんだ。
衝撃を受けるタック。
部屋に入ったユギョンは『あんな奴の提案なんか聞いちゃだめよ』と心の中で自分に言い聞かせます。
なんでお前がここにいるんだとマジュンに詰め寄るタック。
マジュン:俺はユギョンと2年間ずーっと付き合ってるんだ。実はその前から知っている。あの創立パーティーあっただろ。あそこでだ。
だからユギョンは今コソンで働いているんだ。(驚くタック)。ユギョンはお前に隠し事が多いようだな。
こんな所にこられてもユギョンが困るだけだ。彼女は思ったより利口で野心も大きい。
おまえなんか誰も必要としてないんだ。ユギョンも父さんも。だから身の程をわきまえろ、この乞食野郎。
雨の中で
パルボンベーカリーの前に車を止めてタックを待つク会長。午前零時まで待ってもタックが戻らないのであきらめて帰宅の車を進めます。
一方タックはショックで雨に打たれても傘もささずぼーっと歩いています。すると彼に傘を差してくれる男性が現れます。ク会長です。マジュンに対してとは打って変わって慈愛にあふれた声で『大丈夫かな?』と声を掛けます。
パルボンベーカリーの1階に入った二人。タオルで会長を拭こうとするタックに君が先だと言います。タックがユギョンに渡せなかったずぶ濡れの麦飯パンに気付きます。ク会長:パンを持ってたのか?
タック:はい。第一次試験で合格したパンです。
会長:どんな味がするか知りたいな。
タック:会長、お時間ありますか。もしよろしければ今お作りいたします。
今作品屈指の名場面
食材や機材を揃えてパン作りを始めるタック。父親ゆずりの天を両手で仰ぐポーズを決めます。それを見たク会長の心はノックアウト寸前です。
生地を練って形を作ってオーブンで焼きます。出来立てをク会長に差し出すタック。『麦飯パンです。』
ク会長は一口食べてゆっくり香りを楽しみます。二口目に涙があふれてそれ以上食べられなくなります。
ク会長の異変に気づき心配するタック。大丈夫ですか会長。味がへんなのかなあ。変な物いれたのかなあ。パンの匂いを嗅ぐタック。
ク会長:いや。おいしいよ。本当においしいよ。。。。
ク会長:タックよ。タックよ。
ここで立ち上がってタックの手を取ります。唖然とするタック。タックを抱きしめるク会長。
ク会長:すまない、タックよ。お前をさがすのにこんなに時間をかけてしまって。すまない、タックよ。お前がすぐ近くにいたのにお前とわかることができなくて。私の息子、私の息子、私の息子タックよ。
タックも父親を思いっきり抱きしめて大声で泣きます。
コメント
コメント一覧 (2件)
キムタックは子役が凄みあったねー。
ユン、シユンも、可愛い!
ただのハッピーエンド話しでは、なくて
愛とは?ってのが隠れてる気がする
そして裕福に育った子供と貧しい中で
育った子の力の違い!ハングリー精神みたいなものを感じる。仲間の愛もあってほのぼのと、した作品です
キムタックはストーリー展開の面白さなら自分的には韓ドラで5本の指に入りました。それとよく泣かされましたね。何が一番よかったかと言うと、人にやられても恨まない。やり返さない。めげない。ただ自分が正しいと思う道を黙々と進むところ。そして彼の誠実さにまわりが感化されて結局タックを救っていきます。ご指摘のように大きな愛の循環なんでしょうね。演出で粗っぽさもありましたが、作品の面白さが細かい部分を軽く吹っ飛ばしてくれました。いい作品ですよね。
コメントありがとうございます。励みになります。