「赤い袖先」第2話あらすじ
衝突
お城の前で体に無数の傷跡を負った人の死体を検死する青年イサン。
「3人が虎にやられて死んだ。十数人がけがをしておる。兵士や官庁はいったい何をしておる?」と世孫親衛隊の武人に愚痴ります。そこに遠くから虎の唸り声。
夜に数名の親衛隊たちと探索したが成果なく朝帰り。
次の日も虎狩りに出かけるが虎がいない。「こうなったら親衛隊を総動員しよう。」「それはなりません。王様の許可が必要です。(武官)」
山道でそんなやりとりをしている最中に坂をダッシュで下って来たドクイムがサンとぶつかりサンを池の中に突き飛ばします。(ここから第一話最終部分の続き)
池の中にいる二人。「世孫様、大丈夫ですか?(ドクイムは服装から相手が世孫である事を察している。)」ドクイムにひじ鉄を食らわせてサンは陸に上がります。
山道で土下座して謝るドクイム。「一度だけ許してくださいませ」
「顔を上げい、世孫様はすでに去られた」と側近が話します。「今日の出来事の反省文を3日以内に書き上げて世孫様に届けなさい。それが罰である。」
矢文
深夜東宮殿(李氏朝鮮時代お世継ぎ様に振り当てられる館)に矢文。緊張する世孫の側近たち。
文は「罪人の子供は王になれない」と書かれています。すぐに緊急会議を招集しろと号令をかけるサン。しかしホンクギョンはこの事が王様に知れたら吉となるか凶となるかまだわからないので対策を急ぐべきでないと諭します。
翌朝の朝礼で提調尚宮(女官の長)は昨晩 東宮殿の明かりが点いていたので何かあったに違いないとし、何か変な動きがあれば報告するようにと伝えます。
再会
朝礼後 東宮殿の書庫に入りほうきでせっせと掃除するドクイム。一息ついて机の上で反省文を書きます。すると隣の建物から世孫と学問師匠の問答。その会話を参考にして自分の手紙が世孫に気に入られるよう修正作業に入ります。
書庫に一人の平服を来た成年男子が入ってきます。サンです。「ちょっと物を聞こう。最近この辺で何かおかしな動きはなかったか?」「そんな事知らない人に伝える話ではありません。」これでどうだとサンはドクイムに5両を差し出します。ドクイムはお金を受け取るとそのままイサンに投げ返します。「馬鹿にしないでください。私は世孫様に奉仕する身です。こんなはした金で買収しようとしても無駄です。」
「私を誰だと心得るか。わたしは。。。」サンの言葉を無視してドクイムはほうきを振り払って書庫の外にサンを追い出してしまいます。
だが床の上に散らばっている5両はきっちり懐に入れます。
塩まき
あれこれ器用なドクイムはお姉さま尚宮の手紙を代筆したり、髪を結ったりして小遣いを稼いでいます。その中で最も大きなバイトは本の複製代筆。その噂を聞きつけた 提調尚宮は一冊の本を差し出し複製を依頼します。ドクイムは自分が現在「大学」(学問の中で最高難易度と言われる漢書。世子の学問テキストとしてよく使われる。)を複写中だが内容が難しく悪戦苦闘しているのでとても手が回らないと断ります。
しかし提調尚宮 は高貴なアクセサリーをドクイムに手に押し込め強引に仕事を引き受けさせます。
一方前日のやりとりでドクイムが気になるサンは書庫を再訪。「大学」本とアクセサリーを手に持ったドクイムを見つけます。
「ほほう。先日はお金を突き返したくせに今日は尚宮では絶対に手にする事ができないような高い装飾品と学者でも難しいとする「大学」本を持っている。訳を聞かせてもらおうじゃないか。」
ドクイムは 「大学」 は複写用でアクセサリーはその褒美だと説明しますがサンは信じません。そこで書き写す様子を実演して見せます。
びっくりするサン。
「そちら様は随分偉そうですがどちら様ですか?世孫様の学問の師匠と思われますが?」「何故それを?」「この場所から世孫様と学者のやりとりが聞こえますので声に聞き覚えがあります。」「私は学者のホンドンロ(ホンクギョンの別名)と申す。」
「!!!」がっかりするドクイム。「なんだその表情は?」
「ホンドンロ様は都で一番の二枚目だと聞きました。でも実際会ってみると。。。」
だんだんむかついてきたサン。「とにかくそなたは軽挙妄動がすぎる。これからは注意するように」と警告して書庫を出ます。すると偉そうなサンに腹を立てたドクイムが後ろから塩をサンの背中に投げて戸を閉めて、鍵をかけます。
「何をする貴様。戸を開けんか。そうでないとただじゃおかんぞ!」戸を開けたドクイムは今度はサンの顔面目がけて塩をぶちまけ、戸を閉め鍵をかけます。
唖然とするサン。そこに向こうからホンクギョンがやってきます。「よう!都一番の色男。」「世孫様、失礼します。」ホンクギョンはサンの肩につもった塩を振り払います。
トラウマ
ホンクギョンから講義を聞くサンではあるがドクイムとのやりとりで不機嫌になってホンクギョンの声が耳に入らない。
「外に出ませんか?」集中力が散漫するサンにホンクギョンが誘います。彼が連れて行ったのは女官たちの宴会場。女官たちはランタンを空に飛ばしたり、踊りを踊ったり、出店で食べ物を出したり、楽器で音楽を奏でたりして楽しんでおります。
「今日は女官たちの宴会の日か?」「いいえ。本日はリハーサルで本番は10日後です。」
「さぁさぁ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。読み手の名手と言ったらソンドクイム。彼女の朗読が始まるよ!」
ドクイムがお話をします。内容は二人の王子の話。弟を愛する兄王子であったが王様は弟を寵愛し嫡男を憎むようになりついに殺してしまうという悲話。「お前は私を殺すために生まれて来たのだ。」
この言葉にびくっと反応するサン。これは父親であるサド世子が王様に殺されかけている時にサンに放った言葉。ドクイムの言葉があまりにもサンとサド世子の話と似ているのでサンはショックを受けます。
朗読するな!
真っ暗な書庫でひとりふさぎ込むサン。ドクイムが入ってくる。「今日もせっせと小遣い稼ぎか。精が出るな」サンが嫌味を言います。
「何故ここに?」「一人になりたかった。お前が邪魔した。」立ち去ろうとするドクイム。
「朗読は金になるか?」「みんな喜びます。」「私は嫌いだ。あんなもの。人々の好奇心を刺激するだけの代物。」「お前は金儲けさえできればいいと思っている。聞いてる人たちがどんな心境かわからない。」
「どうして私が朗読家だとわかったのですか?女官の館に入り込むのは大罪ですよ!」「これからは朗読するな。お前は朗読をしてはいけない人間だ。」
暗い顔をして書庫を立ち去るサン。
次の日に同僚にサンの悪口を言うドクイム。「なによ、偉そうに。」「あんた、そんな事大声でいっちゃだめ!」「どうして?」「もしその方が世孫様の講師の方であれば誰にも知れず深夜井戸の中に放り込まれるかもしれないわよ。」
くじ引き
若い女官たちがくじ引きをしている。「あたった!」
褒美は毎日同じ道を通り同じ井戸で水を飲む世孫講師(ホンクギョン)に水を差し出す権利。
ホンクギョンが道を歩くと春風が吹くようで爽やかだと喜ぶ当選女。「なにが春風よ。あのとげとげしい男が。」世孫の講師をサンだと思っているドクイムは白けます。
ドクイムはホンクギョンとすれ違います。「ハンアニム(女官を尊重して使う呼ぶ名」。物を落としましたよ。」拾い上げた装飾品をドクイムに渡します。「これあなたによく似あいますね。」彼が立ち去った後「もし彼が世孫様の講師なら女子たちの人気も納得いくんだけどね」とドクイムはつぶやきます。
呼び出されたホンクギョン
呼び出しを受けて王様の部屋を訪ねるホンクギョン。
「よう来た。ちこう寄れ。」「さて、世孫の虎狩りのための親衛隊動員要請の話だが、だめだ。親衛隊は世孫を守るための兵士たち。虎狩りするために奉仕しているわけではない。」
「あいわかりました。さっそく東宮殿に行き王様のお言葉をお伝えいたします。(ホンクギョン)」
立ち去ろうとするホンクギョンにファファン王女が待ったをかけます。(ファファン王女は王様の末娘で王様が溺愛している。サド世子の一番下の妹になる。だが老論派の中核に居て兄サド世子に敵対的だったのでサンを当然敵視している。)
「王様。4日前に東宮殿で夜通しかがり火が焚かれておりました。その事もお聞きになるはずでしたね。」
「おう。そうであった。あの火はなんじゃ?」返事に困るホンクギョン。
「ホンクギョンが知らぬのなら世孫をここに呼び出すしかないです。(ファファン王女)」
「恐れながら私めがお答えいたします。」貞純王后(王様の正室)が割って入ります。
「数日後に年に一度の女官たちの祭りと宴が開催されます。そして今予行演習まっさかりです。それらを見物する男子も少なからずいるとか。世孫も夜通し見物されていたのではないでしょうか?」
「そうか。そうであったか。(王様)」
差戻し
反省文を持って世孫に差し出しに行くドクイム。お目通りはかなうが顔をあげてはならないので世孫の顔を見る事ができない。一方書かれた文の筆記体を見て自分を池に突き落とした女性が書庫で自分に写本の文章を書いて見せ悪態をついた毒舌女だという事にサンは気づきます。(お前だったのか。)
サンは手紙全文に赤い線を筆で引きます。側近が手紙を差戻し、「世孫様が間違った箇所を修正し再度持ってくるよう仰せられた」と伝えます。
書庫に行くドクイム。サンに自分の反省文の何が悪かったのかアドバイスをもらうためだ。サンのご機嫌を取るためホンクギョン(サンの事を世孫の学問講師ホンクギョンだと思っている)が毎日飲むと言われる井戸の水を汲んできて草葉を浮かしている。
「これどうぞ。」「何が目的だ?」「反省文のどこがいけないのか教えてください。」「虎だ。」「えっ?」「この書庫にある虎の文献をすべて集めてこい。」「えっ?」「嫌ならいい。」「わかりました。探します。」
内容をチェックするサン。「だめだな、これは。まず最初に『広いお心でお許しくださいましてありがとうございます』と書いてある。世孫様は許すかどうかまだ決めてない。反省文を読んでどうされるか決められるのだ。それとこの部分。これは王様以外には使ってはいけない表現だ。首が飛ぶぞ。」
ドクイムはさっそく修正にとりかかります。
ダメ出し7回
それから修正してサンに反省文を差し出すが線を引かれたりバッテンを書かれて何度も駄目だしを受けます。
6回目にはさすがにドクイムも反抗的になってきました。それでもだめ。7回目には間違った文章2か所。漢字の綴りが間違っている。側近が間違った部分を100回書けとのサンの言葉を伝えます。
書庫でぶつぶつ言うドクイム。「こんな事になるなら減俸やふくらはぎ叩きのほうがいいわ!」「反省文もいいぞ。自分の悪い部分を教えてくれる。」「部下をいじめてよろこぶ世孫様は絶対聖君にはなれないわ。」「こら。お前今世孫様の悪口を言っておるぞ!」「いいからこれでも読んでて」と巻物をサンに放り投げます。
巻物をチェックするサン。「これは!」
号令
ドクイムが放り投げたのは動物たちの生態地図。サド世子が作らせたもの。虎の出現地や罠をしかけた場所が地図に記されてある。「これは参考になる!」「虎の資料集めって今宮の回りに出没する虎退治のためだったんですか?」「それってご自身のお仕事でもないじゃないですか。」「各役所ではあっちの管轄、こっちの管轄とたらいまわし。その間に百姓民が27人も死んでおる。私でもこの事件を解決しないと。」「官吏様。かっこいいです。本当です。」
親衛隊の長にマップを見せ今夜虎退治に出るので親衛隊を集めておけとサンは伝えます。「ですが、王様の許可は下りたんでしょうか?」「いや。でもこのままほっておけないだろう。」
ドクイムは再度反省文をサンに提出します。黙って出て行くサン。側近が近づき他の反省文を書けと告げます。「何の事でしょう?」「心にもない事を反省文に書き心を偽った事に対する反省文だ。」
書庫で泣きながら反省文を書くドクイム。それを陰から見てにやけるサン。
この日の夜は女官たちの宴と祭り。ドクイムがサンの命令を無視して朗読会を開くという事を知ったサンはドクイムに宿直登板をあてがい宴に参加できないようにしてしまいます。
朗読してくれ
夜宮内では女官たちの宴まっさかり。
一方宮外ではサンと親衛隊が虎の痕跡を追っています。山道に死体がひとつ。「また一人犠牲者が出てしまった。(サン)」「世孫様!虎の足跡を見つけました。宮に向かっています!」「宮に戻るぞ。急げ!」
宿直登板でふてくされているドクイム。一人書庫で本の複写に励んでいます。サンがいきなり入ってきてドクイムの手を引いて外にでます。「いきなり来て手を引っ張って連れ出して。一体なにをするんですか!」「頼みがある。これは危険な事になるかもしれない。でもお前にしかできないんだ。人を集めて本を読んでくれ。お願いする。」
「赤い袖先」第2話感想
イサンは世宗大王に次く名君と呼ばれている実在の人物。李王朝最後の王様らしい王様、王朝中期を発展させた聖君と呼ばれています。そして彼が生涯愛したただ一人の女性がソンドクイムです。
イサンとドクイムの恋とその結末は最高視聴率38.9%をたたき出した国民的ドラマ「イサン」を通じて韓国の国民は知っております。NHKで地上波放送もされたので日本人の中でも知っている人は結構いるでしょう。
「イサン」 の主人公は昨日(2022年1月13日)放送の「徹子の部屋」で萬田久子がかっこいいとほめちぎっていたイソジン。そしてソン史役は「チャングムの誓い」でシンビ役をやった童顔美女ハンジミン。
こちらは甘く切ないラブロマンスなのに対しジュノとイセヨンの恋はラブコメタッチです。ドラマ「イサン」の先入観をぬぐい切るためにそう設定したと推測されます。
ただこの二人のコミカルなやりとりが国民に受けて視聴率をぐんぐん伸ばします。次にどんなやりとりを見せてくれるのか楽しみです。
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