「赤い袖先」第8話あらすじ
決裂
書庫でサンに自分の心は世孫の物ではないとはっきり答えるドクイム。
サンはドクイムを殺すも生かすも自分次第だと捨て台詞を残して去ります。
密談
サンが見当たらないので親衛隊長は人を使ってサンを探します。
親衛隊長が探索目的で部屋に入るとホンクギョンが誰かとひそひそ密談をしています。
相手は典医(王様の主治医)。前回の同徳会でホンクギョンは王様の容態を把握するため典医を仲間に入れるべきだと進言しますがサンは却下します。だがホンクギョンはその命令を無視して典医に接近しています。
ホンクギョンの腕をつかむ親衛隊長。前回世孫がその件は却下したはずだとホンクギョンに詰め寄ります。「私は典医を次の同徳会に連れて行きます。その場で世孫様の許しを乞います。」
同徳会にいきなり現れた典医。「いったいどういう事だ」と怒るサン。ホンクギョンはまず典医の報告を聞いてから自分に罰を与えるかどうか決めてくれと頼みます。
サンに処方薬リストを見せる典医。王様への治療薬は認知症対策サプリだったのだ。
再度の呼び出し
堤調尚宮に再度呼び出されたドクイム。
世孫の側室になって自分の目や耳になっておくれと再び嘆願する堤調尚宮。掴まれた両手を振りほどきドクイムは世孫を信じていれば問題ないと答え再度提案を拒否します。
抜き打ち検査
翌日宮廷女官たちに対する抜き打ち持ち物検査が実施されます。部屋に入ってくまなく禁制品を見つけ出す上級女官たち。
宮の庭にはお宝装飾品や禁制本の山。
調査女官の一人がドクイムの持ち物の中からヨンビン(王様の側室、サド世子の母親、サンの祖母)が書いた本を見つけます。
大事件
亡くなったヨンビンの遺品をドクイムが持っていたというのは大事件。すぐに全女官の責任者である王后に報告されます。
本に押されたハンコを本物と照らし合わせて入念に王后がチェックします。
お白州に引き出されるドクイム。「ソ尚宮(不時着ソダンママ)。女官が王族の物品を窃盗した場合の決まりを言ってみなさい。」
「斬首刑です」ソ尚宮は力なく小声でぼそっと答えます。
「ドクイム。状況はお前にきわめて不利だ。一面識もないヨンビンの持ち物をお前が持っている。」
「誤解です。説明できます。」ドクイムは王様からその本をもらったシチュエーションを説明します。
「その話が本当である事を立証できる目撃者はいるのか?」「おりません。」
そこにサンが現れます。ヨンヒ、キョンヒ、ポギョンの親友たちが状況を伝えたのです。
「この者は王様から直接本をもらったと言っています。王様が大切に思っていたヨンビンの本を名もない女官見習いに手渡すなど信じがたいが世孫はどう思われる?」
サンは自分もその話は信じがたいとコメントしますが、いままで東宮で功を立てた事もあり、盗んだかどうかもはっきりしないので斬首刑はあんまりだと話します。
「いかがでしょう。王后様。流罪にされては?」
(サンにしてみればドクイムが斬首されるなどありえない。かといって棒で叩かれて宮から追放されるのも我慢できない。田舎の僻地に閉じ込めておいて自分が王様になれば無罪放免にして自分のところに呼び寄せるという作戦ではないでしょうか。)
「お前の主はこう言っておる。流罪を受け入れるか?」
「いいえ。何べん聞かれようと私の答えは一つです。私はでたらめを申し上げておりません。証人である王様に会わせてください。」(といっても王様は今アルツハイマー。おぼえているかどうか非常に疑問。)
覚えておらん
王様の間。王様、王后、世孫、ドクイムが座っている。
「そんな事おぼえとらん。出ていけ。」
「王様。これは女官の命に係わる問題です。どうぞご再考を。」
「そんな昔の話をどうして覚えていよう。幼い見習いに一時の幸せな時間を与えたかもな。だが忙しい政務の中そんなささいな事は憶えておらん。」
「王后が自分で手を下すのを嫌がっているようだから余が断罪する。この者を断腱の刑に処せよ。」(アキレス腱を切断し、宮から追放する刑)
サンが口をはさみます。「断腱刑は死罪と同じです。王様は天から授かった民に支えられていると日頃おっしゃっています。お願いですからもう少し思い出すお時間をお使いくださいませ。」
「民、百姓をないがしろにすれば王様としての資格がないな。そこの者。説明をしてみよ。」
回想
ドクイムが前に出ます。最初に王様につらい思い出を思い起こさせるかもしれないと謝ります。
ドクイムは堤調尚宮の命令でヨンビンに弔問にいったと話し、線香が充満する部屋でお悔やみをしていると突然王様がやってきたと説明します。王様はドクイムに対しハピョン王女の子供の頃に似ているとコメントし、亡くなったヨンビンは私と同じ宮女出身で若い頃は美しく、袖崎は真っ赤だったと王様が話されたとドクイムは伝えます。(ここら辺の下りは第1話に出てきます。)
「王様はヨンビンを囲んでいる氷の棺に触れ、“この棺が冷たかろうと余の心より冷たいだろうか。余は本当にこの女を失ったのだ。もう二度と会えない”と話され涙を流されました。」
「その後王様は私にヨンビンの本をお渡しくださいました。」
目の前にいる王様も涙しています。「けしからん女め。自分の一名を救うために王様を泣かすとは。」
「申し訳ありません。もしかしてあの日の事を思い出されましたか?」
「思い出しておらん。お前は断腱の刑だ!」
「。。。。」
「私が何故ヨンビン自筆の本をお前に与えたかわかるか?」
「存じ上げません。」
「お前は字をうまく書きたい宮女になりたいと言ったのだ。ヨンビンは達筆だったからな。」
「本をあげた甲斐があったな。ソンドクイムよ。お前は字がうまい。」
王后の目がうるうるしています。(私も)
3人の忠臣
深夜王様に呼び出された3人の臣。ホンクギョン、カンテホ(親衛隊長)、ソゲジュン(老論派のライバル小論派。今は老論派に押し出されて存在価値が小さい。ソゲジュンはおもに同族会のまとめ役。)この3人はサンの腹心中の腹心。
王様は国に害をなす人間は自分も含め、除去させなければならないと言い、、これから世孫のために大変な試練が待ち受けてるが世孫を守れと訓戒を与えます。世孫に命を投げ出す覚悟ができる人間を考えた所この3人が残ったと話します。
「ついに時がきたか」と心の中でつぶやくホンクギョン。
女官たちの秘密結社
深夜洞窟の中で女官たちが集まっています。首長は堤調尚宮。この会は女官たちの命、名誉、地位を保護するために作られた秘密結社。
首長である堤調尚宮はあちこちに女官たちを派遣して情報を集めている。
何人もの女官たちに体を掴まれ堤調尚宮の前に座らされるソ尚宮。「お前もこの組織の存在を耳にしているであろう。」「お前をもっと早くこの組織に引き入れていれば東宮でのスパイ活動も容易だったのに。。。」
嫌がるソ尚宮の体を掴み強引に入会書にソ尚宮の手形を押し付けます。
会は罪人の息子であるサンの王即位を止め、自分たちを守ってくれる理想の人間を王様にすると堤調尚宮は伝えます。
堤調尚宮の秘密
堤調尚宮は洞窟の奥に監禁されていて拷問を受けている老尚宮を訪れます。この人はパク尚宮。サド世子の乳母をしていた人。世孫に何かを持って行こうとして途中で堤調尚宮に捕まります。皆女官たちの権利を守ろうと立ち上がっているのに何故パク尚宮はそれを阻もうとすると堤調尚宮は尋ねまず。
堤調尚宮は私利私怨のため女官たちを利用していると老尚宮は反発します。「あんたが何故サド世子をあれほど憎んでいたのか知っている。ヨンビンの息子だからだ。あんたは王様が即位すれば自分を妻に迎え入れてくれるものだと信じていた。だが王様が選んだのはあんたの親友ヨンビン。だからその子供であるサド世子に復讐したのだ。自分の復讐のためにサド世子の気が狂うよういろいろ仕掛けて結局王様に殺させた。」
痛い所をつかれた堤調尚宮は焼き鏝を握って老尚宮の顔に押し付けようとしますが断念して立ち去ります。
サン、立つ
王様の館の前に大勢たちの家臣たちが土下座しています。サンの代理聴政を反対する嘆願です。「世孫様は政治に関わる必要はございません」高々に叫ぶのは左大臣ホンジョンヨ(この人はサンの母方のお祖父さんの弟)。
その晩の同徳会。「ソゲジュンは聞け。左大臣ホンジョンヨを免職するよういしろ。」「しかし反対意見が多く予想され。。。」
「決めるのは奴らだ。私が王位に就いた時に生きていきたいのか、死にたいのか。私が王様になった日に左大臣に毒を与える。」
ファファンへの追い打ち
王后にビンタされ面前で恥をかかされたファファン王女。こんどはヘビンの部屋でいちゃもんをつけています。
ヘビンの顔面に水をぶっかけるファファン。「お母さま、おやめください。(チョンフギョム)」
「もう王様の母親きどりか。傲慢な女め。お前なんか大后(王様の母親の称号)には絶対になれぬ。」
「ヘビン。お父様が健在なのに、代理聴政とは話にならない。今すぐ世孫に代理聴政を辞退すると伝えなさい。母親の話なら世孫も従うだろう。」
濡れた衣服を手で払うヘビン。「おっしゃる通り私は一生ビンのままで生涯を終えます。大后にはなれません。ですが心の優しい世孫は私に“恵慶宮洪氏”という尊称を準備なされているのでいつかそう呼ばれます。」
くすっと笑うヘビン。「王女は後日どう呼ばれるか知っておられますか?」「世孫が王様になれば王女様のタイトルは剥奪されます。王女ではなく一般庶民に落とされます。王女の亡くなった夫の名前がチョン氏なのでチョン氏の妻と呼ばれそうですね。」
ファファン王女は大きく開いた目玉で「貴様ぁー!」と叫びヘビンに掴みかかろうとしますがチョンフギョムが体を抑え引き離します。
「その手を放せ!」と暴れ狂うファファン。「ヘビン様。どうぞ退室していただけませんか?」ぷっと吹き出すヘビン。「ここは私の部屋なのに私に出て行けと?」
ニコニコ微笑みながら部屋を出て行きます。
「今見ただろ。ヘビンがどれだけ私を憎んでいるかを。私が兄さん(サド世子)を殺したと思っている。兄は頭が狂ったんだ。だから仕方なかったんだ。」
記憶を取り戻したもう一人の男
凧を並べている宮廷の空き地。(美しい光景です。何か起こる予感)
ドクイムが次に世孫に会った時に王様の間で助け船を出した事に対し感謝を伝える言葉をあれこれ選んで復唱しています。
「そこでその単語は使わないだろ」後ろからサンがストーカーのように現れます。
「世孫様。あの日は助けていただき大変ありがとうございました。さもなければ大変な目にあっていました。」
「最初は私を信じてもらえず正直腹が立ちました。でも後で世孫様の真意がわかりうれしかったです。」
「お前はヨンビンの弔問に他の人間と一緒に行かなかったか?」
「どうしてその事を知っておられるのですか?」
(第一話でサンは父親を死なせた事で生前のヨンビンを責めた事を深く反省してヨンビンの遺体の前で涙を流していましたが、ドクイムが慰労しました。「あの世に行かれたおばば様に僕の声はもう届かない。」「ちゃんと聞こえてますよ。風が強いのに表の灯篭のろうそくが一本も消えていなかったのはその証です。」恐らくドクイムはサンの初恋の人だったのだと想像されます。宮に戻ったちびっこサンはドクイムを必死に探しますが探せませんでした。)
「その童の名前を憶えているか?」「サンです。」
「私の名前はサンだ。」
サンはドクイムを抱きしめます。「お前だったのか。」
「世孫様だったのですね。」ドクイムはサンを強く抱き返します。
「赤い袖先」第8話感想
序盤から中盤に差し掛かり今まで一番よかったシーンとして個人的に上げるのであれば今回の王様の場面です。いつもはおっかなく、迫力があり、冷酷非情に見えますがドクイムに話しかける姿は優しく慈悲深かったです。すっかり溶かされてしまいました。
王様を演じているのはイドッファ。ベテラン俳優です。ラスボスを演じる事が多いですが、何か非常に癖のあるインパクトを与えます。ジャックニコルソンというか柄本明というか。バットマンのジョーカーなんかやらせたら適役に見えます。1980年に軍事クーデターで独裁政権を築いた独裁者全斗煥を描いたドキュメンタリー長編ドラマ「第5共和国」で全斗煥も演じました。コロナ謹慎中に安倍総理もこのドラマを見たとどこかの記事で見かけました。イドッファは1952年生まれ。
一方主役の一人である英祖は今80歳くらい。82歳で亡くなるのでそろそろサンの出番ですね。この人の王様在位は52年で朝鮮王朝26人の王様の中では一番長いです。善政を敷いた事でも有名で民に慕われていました。しかし彼に大王の送り名はつけられませんでした。自分の息子を残忍な方法で殺したのがひっかかっています。彼は子供を殺した選択が正しかったかどうか悩み続ける一生だったと思います。
ちなみに大王と呼ばれる王様は二人。ハングルを作った世宗と改革を行った正祖(イサン)です。
「赤い袖先」日本での視聴方法
「赤い袖先」はKNTVで2022年4月より放映スタート(全話日本語字幕付き)。2011年3月11日金曜日20時~22時30分に第一話第二話先行無料放送実施。KNTVは日本で最初に韓国ドラマを放送する事にこだわる韓流専門チャンネル。
KNTVはスカパーから視聴可能
その他KNTVで視聴な可能な話題最新作に「ワンザウーマン」(2022年3月18日スタート)、「ホンチョンギ」(2022年2月19日スタート)がございます。
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