「赤い袖先」第9話あらすじ
凧
互いが幼い時に一緒にヨンビンの弔問に出かけた二人だと知り感涙極まってしばらくの間ハグし続けます。(ジャンルはラブロマンスドラマですがこの二人なかなかキスしませんね。)
我に返ったドクイムはサンから離れ並べてある凧が何なのかサンに聞きます。「あれは信号凧だ。有事に役立つ。」「一度見ておきたかったのです。」「お前が見てどうする?」「もちろん世孫様をお守りするためです。謀反でも起きればこれでお知らせしないと。(フラグが立ちました。)」
サンは話を戻します。ヨンビンの弔問に行ったときに自分を慰めてくれた女子を忘れる事ができなかったと話します。自分のせいで何か不幸を招いたのではないか、平穏な生活をしているか何度も考えたが自分は自分の命をどうやって守っていくかで手一杯で女子を探す余裕がなかったとサンは話します。
「だが今はあの時の力のない子供ではない。そして今お前を探し出した。答えてみよ。私がお前にどうすればいいか。」
ドクイムはあの時は相手が世孫様とも知らなかったので出会いは単なる偶然だと線引きします。
「つまり、あの出会いはお前にとって何の意味もない事。今そう言っておるのか。?」
「さようでございます。」
立ち去ろうとするドクイムの腕を掴むサン。二人はしばらく見つめ合います。そこに家臣からの声。
「王様がお呼びでございます。!」
代理墓参
王様の間。(王様はかなり老け込んでしまいました。別人にすら見えます。)
王様は何故サンを呼び出したのか思い出せません。
先王たちの墓参りに王様が行けないので世孫に代理で行ってもらうという話ではなかったかと王后が助け舟をだします。
「そうであったかのう?」
「了解しました」と答えるサン。
お墓参りの際に民、百姓たちの生活も観察したいと申し出るサン。「それはいい考えだ。行くときは威厳のある服をきていなさい。そうすれば民、百姓から畏敬の念を得られる。」
「相分かりました。それではこれで。」
「サンよ。えーと。何を放そうとしたのであろう?何か重要な話があったのだが。まあいい。ちこうよれ。」
王様は半月型の木の割符を手渡します。「これで軍を自由自在に動員できる。これが必要になる事はないとは思うが。。。(凧と割符は謀反と兵隊動員セットのフラグでしょう。)」
落ちて行くファファン
サンが墓参りに行くのでサンが担当しているイベントを王后が担当する事になる。
王后はヘビン、サンの妹二人、ファファン王女を呼び行事の宴会をどのように準備するか協議します。
「ファファン王女はどうお考え?(王后)」「私がどう考えようと王后様には関係ありません」と吐き捨て部屋を出て行きます。
「なんと無礼な!(ヘビン)」
部屋でしくしく泣いているファファン王女。「誰もお父様を心配していない。王后は大妃、ヘビンは王様の母親になると喜んでいる。お父様を心配しているのは私だけ。」
そこに堤調尚宮がやってきて「その通り」だと言ってファファンを抱き慰めます。
その日の女官たちの秘密結社集会で堤調尚宮はファファン王女への資金援助の打ち切り指令を出します。「今や王后が王様の耳となっている。王様の寵愛を受けないファファン王女など何の役にも立たないわ。無駄なお金をたくさん使ったわね。」
参加者の中にはソ尚宮の顔もあります。
そこにムン氏がやってきて左大臣ホンジョンヨが罷免されというニュースを伝えます。「世孫様が王様になったら私たちどうなるの?」女官たちは動揺を隠せない。
(ムン氏は王様の側室の一人。サド世子を殺す推進派の一人で実在の人物。ですが本作品ではあまり出番がありません。)
ムン氏はサンが墓参りで遠方に出かけるというニュースを堤調尚宮に耳打ちします。
集会後に堤調尚宮は姪のカンウォレを呼び世孫遠征の事であれこれ指示を与えます。
不機嫌なサン
場所は墓参り目的地への中継地方官庁。
サンは不機嫌極まりない。宮女に召し抱えられるという名目で村から差し出された娘たちが行方不明だという嘆願書を受け取ったのだ。消息不明は過去20年で100名以上。今すぐに行動すべきだといきり立つサン。しかしホンクギョンが止めに入ります。この問題を解決するには誘拐犯たちを鎮圧する軍と捕まえた犯人たちを裁く司法の力が必要だが現時点サンはどちらの勢力も継承掌握していない。変に動けば王様に不信感を招くので王位継承が目の前にある今は見て見ぬふりをしなければならないとホンクギョンは諭します。
「私に知らん顔しろというのか。今日も悪党どもに連れていかれる子供がいるかもしれない。それに今まで連れ去られた子供たちをそのままにしとけと言うのか。」
サンとホンクギョンの意見が対立します。
サン、癒される
ごはんはいらない、布団は片付けろと自分の宿に戻ったサンは荒れ気味。しかし自分の部屋に戻ると顔が緩み、ニコニコ顔になります。自分の布団にドクイムが寝ていたからです。
ドクイムはソ尚宮に世孫の布団を温めるよう命じられていたました。寝てはいけないと釘を刺され、サンが戻る前に宿を去るよう言われていましたがいざ布団の中に入ると心地良さでつい爆睡してしまいます。
「無防備で恐れを知らぬ奴だな。私が怖くないのか?」とささやきながらも優しい目でサンは布団をかけなおしてあげます。(ドクイムの顔に手を触れようとするができないサンが可愛いです。)
部屋の前でガードマンをしている親衛隊長に誰も部屋に入れてはならないとサンは指示を出します。
出来事いろいろ
カンウォレは伝書鷹を見つけます。仲間の鷹匠女宮から鷹が運んできた文をもらい、「今夜11時」とつぶやきます。
中継宿に食料が無い事が発覚。何故ちゃんと確認しなかったかと若い女官たちをソ尚宮が咎めます。カンウォレが現れこんな所で時間を浪費するより最寄りの近接地方官庁に行って食料をわけてもらったほうが早いと言います。
「ソ尚宮が直接取りに行ってください。」カンウォレが命令します。地方官庁までは徒歩で4時間。
寝坊して慌てて外に出たドクイムはその場面を目撃し、一人になったソ尚宮に声をかけます。「私も一緒に行きます。先ほどウォレさんがソ尚宮の上官に見えました。」
ウォレと鷹匠は門番兵士に小さな布袋をたくさん渡し、武器庫の中に入り、弓を次々壊していきます。
ソ尚宮とドクイムは森の中を歩いています。ソ尚宮は女官秘密結社に入会した事を打ち明け、秘密結社の中でのウォレとソ尚宮の上下関係がどんなものかを言外でほのめかします。この組織は自分たちの力で王様をとっかえひっかえしようともくろむ恐ろしい集団で、自分は見て見ぬふりをして暮らしていたがこの度強引に入会させられてしまったとこぼします。
伝令鷹が堤調尚宮の元へ戻ってきました。
川辺にたどり着いたソ尚宮とドクイム。子供たちが手のひらサイズの布で遊んでいます。「ねえ、君たち。その布どこで見つけたの?」「あっち。」
川のあちこちに布袋が流れてきています。拾い上げてチェックする二人。「これは銃の火薬を入れる袋。そして世孫様の親衛隊の持ち物。」ソ尚宮は秘密集会で堤調尚宮とムン氏がひそひそ声で世孫が遠征に出かける事を話し合った事、ウォレが食料を口実に自分を追い出した事を思い出してあれこれ考えます。「答えはひとつよ。これは謀反。すぐに中継官庁に戻らないと。(ソ尚宮)」「今から早足で戻っても2時間かかります。私に考えがあります。」
二人は川辺で遊ぶ子供たちの凧と自分たちが持ってきたかぼちゃのお餅の物々交換をします。
ドクイムは凧に墨を入れて模様を作ります。
武器がない
軒下に一人たたずむサン。ホンクギョンが近寄ってきます。「さきほどは私めが悪うございました。人さらいの件は私めが責任を持って対処します。」「そうか。お主が指揮するのであれば一日でも早く子供たちを両親の元へ帰せるだろう。」
「???」「!!!」
「あれは信号凧ですね。あの模様の意味は?」「敵が攻めて来た。戦え!だ。」
武器庫の中にいるサン、ホンクギョン、親衛隊長と隊員たち。弓の糸は切られ、火薬とライフルは持ち出されていてそこにない。
緊急会議を開くサン。弓矢の数はサンの特製品1つと4人の親衛隊員とその部下28人が持っている弓で合計33個。
「全部で50個もないのか。(サン)」「恐れながらこの官庁の外には数百の兵士たちがあちこちに待機しております。門を閉めてしまえばそれほど心配なさらなくても大丈夫かと思いますが。」そう進言するのはチョンジェファ。サンの妹であるチョンソン公主の夫で同徳会のメンバー。
サンはその対策は官内に敵がいない場合のみ有効だと言い、今は誰も信じられず自分が頼れるのは親衛隊のみとだと話します。「敵が外にいるか中にいるかわからない状況で門を閉ざす事はできない。」
「これを持ってなるべく早く西庁の軍を連れてきなさい。」サンは王様から預かった兵力動員半月割符をホンクギョンに委ねます。
一方風が止んで凧を飛ばせなくなったドクイムと尚宮は駆け足で中継官庁に戻ります。しかし途中ソ尚宮が捻挫してしまったのでドクイム一人で走り続けます。
刺客
夜にサンの政務室を訪ねて箱を持った女官がやってきます。「何用だ?」「ご先祖様たちに捧げるお酒の杯を持って参りました。」護衛武官たちが中身をチェックしたあとに部屋の中に通されます。
「世孫様。お酒の杯を持って参りました。」
世孫の席に座っていたのは親衛隊長。「お前は東宮の女官ではない。一体誰だ?」
女官はいきなり拳銃をぶっぱなします。この女性は鷹匠の女官。かろうじて弾をよけた親衛隊長と女官の剣対剣の勝負になりますが親衛隊長とのタイマン勝負では相手になりません。剣がはじけたあとに背負い投げをくらい、回し蹴りを入れられ壁際に吹っ飛ばされます。
「誰の命令を受けた!言え!」
鷹匠女官は懐から小刀を取り出して自分の首を掻き切って絶命します。
肉弾戦
ドクイムは転びながらも必死に地方官庁に向かって走り続けます。もしかするとサンが凧の合図を見損じたかもしれないと不安だからです。一方ホンクギョンは早馬で西官庁の門に到着しました。「世孫様の命である。長官を呼べ!」ホンクギョンと長官は双方が片方づつ持った割符を合致させます。「うむ。間違いない。兵を出動させよ。」
一方サンがいる地方官庁に50人くらいの忍者姿の怪しい人影が侵入します。カンウォレと思われる忍者がサンの政務室に入り鷹匠女官の死体を発見。
その瞬間それまで隠れていたイサンが現れ門に火矢を放ちます。戦闘開始の合図です。
忍者姿の賊と親衛隊の肉弾戦が始まります。親衛隊は一騎当千の武者ぞろいですが相手は訓練を受けた兵士たちで数も多い。一進一退が続きます。イサンも戦闘に加わります。イサンは学識高い事で有名ですが武芸でも達人です。(彼の武芸については恐らくどこかの感想で書く予定です。)だから立派な戦力です。
ウォレは政務室に入り鷹匠女官の体を調べ拳銃を探します。後ろからサンがウォレに拳銃を突き付けます。「探し物はこれか?最新式の銃だ。私でさえ外国船のつてで一年に一度か二度くらいしか見る事ができない代物だ。誰の命令だ?」
「その拳銃に弾は残っていない。(ウォレ)」と言ってサンを一瞬ひるませ剣でサンが手に持つ拳銃を叩き落とします。
ここからサンとウォレのタイマン剣勝負。
銃声
二人は剣を数回交えます。「お前は宮廷女官だな。宮廷女官を手足のように使える人物。通訳官を通して密貿易が可能な人物。100名以上の私兵を育成できる人物。探し当てるのはそう難しくないであろう。(サン)」
二人が死闘を続けていると2名の敵が加わりサンに斬りかかります。たまらず外に放り出されて石段から転げ落ちるサン。今度は多人数相手に親衛隊長と一緒に庭で奮戦します。
そこに一発の銃声。ウォレが天に向けて放った退却の合図です。ウォレは最初拳銃をサンに向けましたが大勢の敵味方に囲まれていたので断念しました。
「敵が退却しますね、世孫様。」「いや、今から大きな敵の波が押し寄せてくる。兵士たちは横一列に並び門に向かって構えよ。」十数名の武官や兵士たちが並びます。
ぴーんと張る緊張感。
「世孫様。ひとつお願いがあります。(親衛隊長)もし王様になられたら禁酒令を解いていただけませんでしょうか。お酒飲みたくて死にそうです。」「お主には王の酒を賜ろう。」「もしここで生き残ったらの話ですけど一緒にお酒を飲んでもらえませんかねぇ?」サンは目配せして了解を示します。「ありがたき幸せ。」
(記録によればサンは底なしの酒豪。親衛隊長はとんでもない提案をしてしまいました。)
門が打ち壊され敵が津波のように押し寄せてきます。両陣営が激突する瞬間4~5発の銃声が同時に鳴り響き敵がバタバタ倒れます。間に合いました。大勢の軍人に囲まれ敵は万事休す。
ホンクギョンが現れサンの前で片膝をつきます。「小生は世孫様の命に従い兵士たちを連れてまいりました。」
ホンクギョンの手を掴み立たせて抱きよせるサン。「ご苦労であった。」
ホンクギョンは泣きそうです。
もう一人の感謝すべき人
一件落着して門の外に出るサン。こちらに向かって走ってくるドクイムを発見します。満面の笑みでサンはドクイムに突進します。ドクイムもサンが無事だとわかりうれしさを隠せません。サンはドクイムを両手で懐に抱えます。
「見られましたか?私の凧。」
「あぁ。」
「私言いましたよね。私が世孫様をお守りすると。世孫様はお国を守るために忙しいですし、私は世孫様をお守りするので忙しい。どっちがもっと忙しいんですかね?」
「つまらん事を言ってないで休め。」
「ここで?(サンの腕の中で?)危なくないですか?」
「私がお前を守る。」
「では申し訳ありませんが、目をつぶって休ませていただきます。ちょっと疲れてしまって。」
サンはそう言いながらドクイムのおでこに軽く頬をこすりつけます。しかしドクイムは爆睡しています。
「赤い袖先」第9話感想
イサンは魅力あふれる人物です。彼の人生のどの部分を切り取ってもドラマになってしまいます。
王様になる前には暗殺団や刺客に殺されそうになったり、老論派に濡れ衣を着せられて窮地に立たされたり。死んでいてもおかしくありません。王様になると大改革を行い国を豊かにしていきます。朝鮮王朝最後の力強い王様と言われていますが力ではなく仁徳で民を従わせたという点もすごいです。人物像で見れば文武両道。しかもどちらも一級品。純愛で女性を愛した王様というのも古今東西珍しいです。彼は自分はすごいんだぞと自慢するくせがあります。ですがそれもチャームポイントとなり当時の国民からさらに愛されます。民を上から目線で見ない王様、民をこよなく愛した王様。
こんな王様ですから現在の韓国人にも愛されていて彼がどんな人物なのか、どんな人生を送ったかもある程度知られています。だからイサンのドラマを見る視聴者の満足度のハードルは普段より高いと思います。お隣さんは気に入らなかったら容赦なくバッシングする文化。名作と呼ばれる「梨泰院クラス」のヒロインチョイソを演じたキムダミも原作のウェブトゥーンのイメージと違うとされ血祭にあげられました。こんな文化がいいか悪いかは別として「袖先赤いクットン」が尻上がりにどんどん視聴率を上げ韓国民に愛されたのはこのドラマが持つ実力だと思います。本来このドラマは16部編成でしたが視聴率がいいので1話伸ばして17部作とし、最終回の放送を特番がひしめく元旦1月1日の夜にぶつけます。結果は視聴率17.4%。この数字は2021年韓国ミニシリーズ(16部前後のクールで一番一般的なドラマ)の最高視聴率ランキングで4位をもたらします。
「赤い袖先」日本での視聴方法
「赤い袖先」はKNTVで2022年4月より放映スタート(全話日本語字幕付き)。2011年3月11日金曜日20時~22時30分に第一話第二話先行無料放送実施。KNTVは日本で最初に韓国ドラマを放送する事にこだわる韓流専門チャンネル。
KNTVはスカパーから視聴可能
その他KNTVで視聴な可能な話題最新作に「ワンザウーマン」(2022年3月18日スタート)、「ホンチョンギ」(2022年2月19日スタート)がございます。
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