「赤い袖先」第11話あらすじ
やけど
「カニの醤油漬けと柿を献上したのはだれだじゃ!」英祖の目が血走っています。
火鉢から真っ赤な鉄箸を取り出してヘビンがいる方向に進みます。
「私ではございません」とヘビンが小声で答えたが興奮した王様は鉄箸をヘビンに振りかざします。
「じゅー。」火箸を右手で受け止めるサン。「私が代わりに罰を受けます。」
興奮状態からすこし冷めた王様。「尚膳(側近の宦官)。戻るぞ。」
対峙
やけどの手当を受けたサンは王の間で政務を続けます。ドクイムはやけどによく効く薬を持って行きますが門前払いされてサンに会えません。
ホンクギョンがやってきて王様の館の前で土下座して王様をなだめるよう勧めますが自分は代理聴政から外されてないのでこの場を離れるわけにはいかないと言い断ります。
ホンクギョンにドクイムと会ったかと聞きますが彼は会っていないと嘘をつきます。ドクイムからサンへのやけどの薬を預けられておりましたがその事実をにぎりつぶしました。
王様がやってきました。
サンは自分はやってないが宴の責任者は自分なので自分に責任があると言います。
「許してほしいか。なら仕掛けたのはお前の母親だと言え。」「もしそういえば母親を自分の人生から消してしまう事になります。私の父親を消したように。」
サンのとげのある言葉に怒る王様。「お前は王位に登るか死ぬかのどっちかだ。東宮に戻り、そこで一歩も外に出ずじーっとしておれ。すぐにお前をどうするか決める。」
ドクイムが側室を嫌がる理由
パク尚宮を看護する一軒家の庭で一人泣くドクイム。サンの事が心配でしょうがない。その様子をソ尚宮が見ていた。
パク尚宮はそんなに世孫が好きなら側室になればいいじゃないかと話します。「お前なら堤調尚宮の力を借りなくても世孫様が差し出した手をつかめば側室になれるのに。」
ドクイムはサンの事は好きだが大勢の女の中の一人になるのが嫌だと答えます。自分ひとりだけが持てないのなら最初から持たない方がいいと答えます。毎年入ってくる若くてきれいな女官たちにやきもきしなければならない生活は嫌だと話します。
「世孫様は私にとって大切なお方です。でも私にとって私自身がもっと大切です。」
「なら何で泣いてるのよ?」
サンが一生涯いい王様になろうと努力してきたのに一瞬にしてそれがだめになるのかと思うと悔しいとドクイムは答えます。
「方法がある。試してみるか?」後ろから出て来たパク尚宮がそう言います。
真実の文書と3つのヒント
息を切らせながらもヘビンの実家に走るドクイム。「ヘビン様!」
ヘビンの居間に座るヘビン、ドクイム、そして今はヘビンの家の家来となっているドクイムの兄ソンシク。
パク尚宮によるとサド世子が自分が死ぬ代わりに英祖にサンの王位を約束させた“真実の書”というものが存在し、それには王様の玉璽も押してあるとドクイムは説明します。
大粒の涙を流すヘビン。そんな大意を持っていたのに死んでからも恨む事しかしなかった自分は悪い妻だとなげきます。
情けない自分に信頼がないからサド世子はこんな重要な話を伝えなかったとヘビンは悲嘆しますがドクイムはそれを否定します。
王様と世子が取引した事を示す真実の文書のありかを探し出す3つのヒントがあるとドクイムはいいます。
一つ目はドクイムの背中に彫ってある「明」という漢字。これはサド世子の信頼が厚い親衛隊隊員だったドクイムの父親がドクイムの背中に彫ったもの。
二つ目はサド世子がヘビンに送った指輪。
三つ目はパク尚宮が保管している冬物帽子。(パク尚宮投獄の際に堤調尚宮に没収された。)
何もするな
ひさびさに東宮の館に戻ったサン。王様から再び禁足令がでたので窓を全部しめろと側近たちに伝えます。
部屋に戻るとホンクギョン、ソゲジュン、親衛隊長、サンの妹の夫たちが座っています。
ホンクギョンは王様の病気を口実に王様の位を譲ってもらうようにしようと提案します。次の日の朝8時に会議が開かれサンの運命が決まりそうだからです。
皆ホンクギョンの言葉と同じだと告げる腹心たち。「親衛隊長も同じ考えか?」「私に考えなどありません。世孫様の考えが私の考えです。」
ホンクギョンを残して全員立ち去るようサンは命令します。
サンはホンクギョンに何もするなと言います。ホンクギョンは老いて、病気で耄碌した王様より若く頭脳明晰な王様のほうが朝鮮国と民百姓になると言います。
サンは自分は王様を深く敬愛しているとし、世の中の全員が王様を引きずり降ろそうとしても自分は最後まで王様を守ると宣言します。
サンの部屋の外の廊下に拳を叩きつけて涙を流し悔しがるホンクギョン。
謎解き
ヘビンの居間。「明」「五」「峰」と書かれた漢字の紙をあれこれ組み合わせます。それらは3つのヒントに書かれている単語です。ですが正解にたどりつけない。
悩むヘビン、ドクイム、ソンシクの三人。
ドクイムを見送るソンシク。「どっか田舎に引っ越して二人で静かに暮らさないか?自ら危ない所に首を突っ込む理由なんてないじゃないか。」「世孫様が王様になってからこそ静かな生活が提供されます。」
ソンシクはドクイムのサンに対する思いを察します。
「なぞなぞの答えは知らんがお前の背中の文字の秘密は知っている。あれは明という字ではない。日と月だ。明を二つに割らなければならない。」
しばらく考えるドクイム。「お兄ちゃん。答え見つけたわ!」
次善手
翌朝ドクイムはソンシクと馬で東宮に直行。王様会議に出席直前のサンをつかまえます。「会議に参加される前に絶対聞いておかなければならない話があります。」
ですが罪人として咎められる会議にサンは遅刻できない。「心配するな。私は戻ってくる。」サンはドクイムの話を聞かずに立ち去ります。
ここで諦めないドクイム。そのまま王后の館に直行。王后に会ったドクイムは口八丁手八丁でサンが免責されるよう説得にはいります。
誰が次期王様になろうと私が大妃になるのは決定済みだと王后は述べ、何の得にもならない取引に応ずるつもりはないとドクイムを突き放します。
このまま世孫が没落すればファファン王女の権威が増し、王后はお飾りになると訴えるドクイム。
聡明さは好きだが無礼は許さんと警告する王后。ドクイムとの対話のテーブルに再び戻ります。
ドクイムは本件が国母としての威厳を世に示すめったにないチャンスの一つだとし、今回世孫を助ければ世孫は大妃に一生孝行を尽くすだろうと畳みかけます。
「口先だけで私を動かそうとするお前の魂胆は見え見えだが結局心を動かされてしまった。私は会議に参加して世孫を輸するよう頼んでみる。だがそれ以上は何もしない。」
感謝の意を述べるドクイム。「それでは“真実の書”についてお話いたします。」
「それって何?(王后)」
針の筵
大勢の家臣の真ん中に座らされるサン。本日の会議は世孫の罪をいかに裁くかがテーマだと宣戦布告する王様。
サンは王様は自分を守ってくれる大きな木にたとえ、自分を許し、今までのように保護してほしいと頼みます。そして大恩ある王様の病気を見て見ぬふりをして王様を暗い闇の中に置き去りにしたと反省します。
しかし王様は大勢の家臣の前で自分の頭の病気をあけっぴろげに論じて世間にその事を広げようとしているとサンの言葉を捻じ曲げて解釈します。
王様は同徳会のリストが書かれた書面をサンに投げつけます。
同徳会リストはホンジョンヨが提調尚宮から受け取った物で会議前に王様に手渡していました。ホンジョンヨは同徳会が王様を早く引退させ自分を早く王様に就かせるための秘密結社だと御前会議で報告します。
そこでホンクギョンが立ち上がり、これは世孫を陥れるための謀略だと弁明します。しかし王様は世孫の一挙一動を報告させるために送り込んだのに、いつの間にか自分を裏切り世孫の人間になったとホンクギョンを非難します。
王様の不信感と怒りは頂点に達しています。サンを憐れむ言葉は一言もなくひたすら非難を続けます。そして剣を抜きました。
「赤い袖先」第11話感想
再度の御前会議での英祖の迫力は圧巻でした。こんな人に怒鳴られたら間違いなく縮み上がります。ただの空威張りでなく心の芯から描かれる人間の強さ。最近日本のドラマで迫力あるシニアの活躍シーンがあまり出てこないのが残念です。真田太平記の丹波哲郎なんか最高に迫力あるシニアの味を引き出していたんですけど。
今回英祖の年が83歳というセリフがありました。彼がなくなるのは83歳ですからそろそろですね。
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