「赤い袖先」第14話あらすじと感想
いらだち
王様の寝室の前で控え当番をしているドクイムはうとうとしている。そっと隣に座り肩を貸すサン。
サンに気づいたドクイム。
「本日は外出でお戻りにならないと伺っておりましたが。」
サンは王様になってよかった事は自分がやりたい事を思い通りにできる事だといい、仕事中もたびたびドクイムの事が気になり、本日控え当番という事を知り戻って来たと伝えます。
「余がお前の事をどれだけ。。。」
自分は胸を焦がしているのに、ドクイムは平然と居眠りしてよだれまで垂らしていると愚痴りいらつきます。
自分は許される
星観察部の汚職や不正が発覚した。黒幕はホンクギョンらしい。
親衛隊長はホンクギョンをその事で非難するがホンクギョンは王様がいつも自分に対しては寛大で今回も許してくれるだろうと開き直ります。
「王様は生涯をかけて3つの偉業を達成しようと決めているがそれは何かね?(ホンクギョン)」
「いくら自分の記憶力が乏しいにしてもそれぐらいはきちんと把握している。一番目は治水。二番目は築城だ。王様は過去城を建設するために多くの百姓が奴隷のように駆り出され、民に築城が忌み嫌われていたが自分はそのような悪習慣を打破するとおっしゃられた。(親衛隊長)」
3つ目の偉業について親衛隊長の話も聞かずホンクギョンは立ち去ります。
一人になったホンクギョンは「王様は何故その事を自分に伝えてくれなかったのだろう?」とつぶやきます。
一度も望んだ事はない
ウォンビンホン氏(ホンクギョンの妹)に呼ばれたドクイム。サンはウォンビンの部屋を訪れる予定であったがそれをキャンセルして星官庁の査察に行ったのだ。
「私王様にとって無用な存在になって、お兄様の重荷になりたくないのです。」ウォンビンはドクイムに愚痴ります。
ドクイムがウォンビンの館から出てくるのを目撃したサン。後にドクイムを呼び出してなぜあそこに行ったのか問いただします。
ドクイムはウォンビンが前からの知人であり、人柄もいいと答えます。そしてウォンビンは今うつ病にかかっているのでウォンビンが頼る王様が頻繁に彼女の部屋を訪れ癒してくれるよう頼みます。
「今お前はその口から他の女の所に行けと言っているのか!」
「お前は一生涯私を守ると誓った。そして実際命を賭して私を守った。そのような女人をどうして愛さずにいられようか。」
サンはドクイムの手を握ります。「今までの事を振り返ってみたがお前は私がお前を思うほど余の事を思っていてくれていると考えている。そうではないのか?」
ドクイムはサンの手を引き離します。「私は一度も王様の側室になる事を望んだ事はありません。」
サンの苦悩
部屋に戻ったドクイム。部屋の中でギョンヒ、ヨンヒ、ボギョンの3人が楽しそうに本の感想を述べあっている。
「やっぱりここが私の居場所なんだ。」ひとり心の中でドクイムはつぶやきます。
夜更けに執務室で悩み拭けるサン。近くにはソ尚宮が控えております。
「自分の物だと思っていた。そして呼べば来ると思っていた。でも勘違いであった。王の特権で強引に自分の物にしてしまうかな。どう思う?ソ尚宮。」
「私が王様と意見をかわすなどもってのほかです。ただあえて申し上げるのであれば王様はそのような人間でもそのような王様でもありません。」
そこに慌てて入って来たヘビン。「王様。ウォンビンが危篤です。」
ウォンビンの死
急いでウォンビンの部屋に行ってみるとすでに息を引き取っていた。典医に掴みかかって責めるホンクギョン。
葬儀も終わったがホンクギョンの悲しみは止まらない。慰めに入った親衛隊長に元気だったウォンビンが急に死んだのは誰かに殺されたからだとホンクギョンはつぶやきます。
秘密結社は生きていた
サンの腹心中の腹心である親衛隊長、宰相ソゲジュン、そして二人のサンの妹の夫たちがサンに報告している。
サンが根絶やしにしろと指令を出した堤調尚宮の女官たちの秘密結社が活発に活動をしていてその首魁はホンクギョンだと報告します。
「ホンクギョンは秘密裡に秘密結社をそっくりそのまま引き継ぎました。国のいたる所にはびこる勢力は今は堤調尚宮の代わりにホンクギョンと取引をしています。ホンクギョンは官職などを与える条件で莫大な金額を手にし私腹を肥やしています。(ソゲジュン)」
「この事は他言無用にいたせ。(サン)」
ギョンヒがいない
ムスリ(下女)のサムウォルからギョンヒの手紙をもらったドクイム。待ち合わせの場所に行ったところギョンヒは来ない。朝になっても戻ってこなかった。
心配になってソ尚宮にドクイムが相談すると中宮殿(サンの正妻の館)の女官たち6名が消息不明との事。
一方ホンクギョンを呼びつけたサン。女官たちが6名失踪中だが知っているかと聞きます。
ホンクギョンは女官が宮が嫌になって自殺するのはよくある事だと説明し、大した問題ではないと事をうやむやにしようとします
しかしサンは女官たちの管理は都承旨の仕事なのでホンクギョンが責任を持って全員探し出すよう命じます。
入水自殺未遂?
ギョンヒを探して宮のあちこちを歩き回るドクイム。池にお匂い袋を発見。キョンヒの者ではないかと思いそのまま池に突入。
それを見ていたサンは慌てて自分も池の中に入りドクイムの体をつかみます。
サンは親衛隊長、ホンクギョン、内官をはじめとする大勢のギャラリーを引き連れていたのでドクイムを自分の部屋に呼びます。部屋にはサン、ドクイム、ホンクギョン。
「あそこで何をやっていた!」サンは珍しく大声を張り上げます。
ドクイムはキョンヒの匂い袋だと思い思わず入水してしまったと説明します。ほっとするサン。
ドクイムはギョンヒを始め失踪中の女官たちを探し出してほしいと涙ながらに嘆願します。
外に出たドクイムを追いかけて来たホンクギョン。
「涙ひとつで王様の心を動かすとは大した演技だな。」
「ホンクギョン様こそ女官探索を仰せつかったのでちゃんと見つけないとただではすみませんよ。」
「計りがあれば重さをかけてみたいものだ。このホンクギョンか数名の女官たちか。探せなければ罰は下るかもしれない。減俸?降格?その程度であろう。」
密偵をつけろ
ソ尚宮を呼びつけたサン。人を付けてドクイムの四六時中を監視するよう命令します。「何かあればすぐに親衛隊長に報告せよ。」
「恐れながら王様。訳をうかがってよろしいですか?ドクイムがその事を知れば傷つきます。」
「感情などどうでもいい。無事であれば結構。下がれ。」
失踪女官たちの居場所
親衛隊長を呼びつけたサン。ホンクギョンに堤調尚宮秘密結社アジトを燃やすよう命じてあるがどうなっているか自分の目で確かめたいので同行せよと命じます。
洞窟の中のアジトはそのまま無傷で残っていました。サンと親衛隊長は女性達の鳴き声を聞きます。中央広場に集められた十数名の女官たち。ギョンヒもいます。
ホンクギョンが現れます。「次はお前だ。」嫌がる尚宮をどこかに連れて行きます。
その場を立ち去るサンと親衛隊長。「あの様子だとすぐに殺す事はないな。(サン)」
最終確認
サンのプライベート書庫に呼ばれたホンクギョン。彼はサンの個人書庫に初めて招かれたと感激します。
サンは何をするときもいつもホンクギョンと一緒だったと話します。ホンクギョンはこれからもずーっと補佐していくと答えます。
サンはこれから言う事は非常に大切な事なのでよく考えて答えてくれと話します。
サンは自分の任期中に成し遂げる事は奴婢制度の撤廃であり、奴隷を無くす事だと話します。
「国民は家族のような者。彼らを家畜のように扱わせないようにする。」
これに対しホンクギョンは奴婢は無力で役立たずなので王様が気を使うべき相手は奴婢の主人たちだと反論します。
それなら女官たちはどうかとサンは逆に聞き返します。「彼女たちも無力で役立たずなのか?」
ホンクギョンは宮において女官たちはなくてはならない存在なので役立たずではないと答えます。「ですが彼女たちは奴婢出身が多いのでいくらでも補充できます。」
残念そうな顔をするサン。「わかった。それがお前の考えだな。お前を完全に理解した。」
駆け引き
大妃と囲碁を打つサン。「大妃様は王である私でも頭があがらないお人。これからも不便なきようよくお支えいたします。」
なら今望む事があると大妃は答えます。ウォンビンも亡くなり国の跡を継ぐ世子を設けなければならないので次の側室縁組を進めたいと話します。
「それは結構ですが側室は自分で選びたい」とサンは告げ、大妃が勧める老論派の娘は断るとけん制します。
宮中奥の事は自分が責任者であるのでもしその申し出を断ったらどうすると大妃が聞くとサンは今流刑中の大妃弟が毒を飲む事になると答えます。
「正直でいいわね。これからも碁を楽しみましょう。」
拉致犯の正体
ムスリのサムウォルが宮内で宮女たちは幽霊の神隠しにあっていると触れ回っている。その行動に疑問を感じたドクイムはヨンヒ、ボギョンと一緒にサムウォルの部屋を訪れる。
するとそこでサムウォルが首をくくっていた。急いで下におろす三人。サムウォルは息を吹き返した。
サムォルは紙の包みを差し出します。これは毒でホンクギョンが中宮殿(サン正妻の館)に忍ばせるよう命令していました。そしてそれが「発見」され王后がウォンビンを毒殺した根拠にするホンクギョンの筋書きです。拉致された中宮殿の女官たちはホンクギョンの命令を拒んだ者たち。
サムウォルはもし発覚したら自分だけでなく家族も殺されるので死を選んだと話します。
王様は信じられない
ドクイムたちは失踪した女官たちがどこに隠されているか考えます。出入りのチェックが厳しい門から連れ出されるのは不可。ドクイムは以前ソ尚宮と潜入した秘密結社のアジトを思い出します。
ヨンヒ、ボギョンに本を託すドクイム。もし自分が明日の昼まで戻らなかったらこれを持って大妃に行くよう伝えます。
ドクイムは定期的に大妃に本を朗読して聞かせていました。本の中にはドクイムの手紙が挟まれています。
ボギョンは大妃ではなく王様に直接報告してはどうかと助言します。しかしドクイムは王様はいつも計算をしているので信用できないときっぱり断ります。
だがもし大妃もこの話を無視したらドクイムが犬死ではないかとボギョンが言うと、今ギョンヒを助けるにはやるしかないとドクイムは答えます。
逮捕
ドクイムは単独で洞窟のアジトに忍び込みまがすぐに一味に見つかりホンクギョンの前に引きずり出されます。
「ひとりでここに来るなんて大した度胸だな。」
あちらこちらで聞こえる女官たちの悲鳴。ウォンビンを殺したのは王后だというでっち上げの証拠を作れと嫌がる女官たちを拷問しております。「証拠なんてなくたっていい。作りだせばいいんだ。(ホンクギョン)」
ホンクギョンは強引にドクイムに筆を持たせ王后がウォンビンを殺したと文書にしたためろと迫ります。
「その手を放せ!」サンの登場です。
ホンクギョンの首には親衛隊長の刃があてがわれています。その他一味も親衛隊隊員たちが捕獲します。抱き合って喜ぶドクイムとギョンヒ。サンはドクイムがボギョン達に託した大妃への本をドクイムに返します。
断罪
御前会議の間で座らせられているホンクギョン。その場にいるのはサン、親衛隊長、ソゲジュン、サンの二人の妹の夫たち。
「王様。説明できます。釈明させてください。」この後に及んでも悪あがきするホンクギョン。「見苦しいぞ。」「問答無用。」「死を。」妹夫たちは叫びます。
「王様。人間誰だって一度は失敗を犯します。」
「いや違う。お前は悪い事だと知っていてそれを平然とやってのけている。失敗ではない。(サン)」サンは今までホンクギョンが改心する事を待って待って決定を先延ばしにしてきたが処罰する日が来たと告げます。
「余はただの一度もお前を自分の人間だと思った事はない。」「一度もないのですか?」「そうだ。」さすがにこの言葉にショックを受けます。ホンクギョンは妹のウォンビンが死んだ時に自分の希望の灯が消えたと思っていたがそうではなかったと話します。
「私の生きる目的と希望は王様だったのです。その事に気付きました。私をご自身の人間ではないと言われました。どうか私を成敗してくださいませ。私はすべてを失いました。」ホンクギョンは涙します。
親衛隊長が前に出ます。「どうぞ命だけはお助けくださいませ。」「お前は余の考えがお前の考えと申したではないか。意見など持たないと。」親衛隊長は王様からホンクギョンを殺したくない気持ちを感じると答えます。
次の日の御前会議。「ホンクギョンから辞職願いが出た。余は受理する。」サンは大勢の家臣たちにホンクギョンの辞職を宣言します。結局ホンクギョンは罪を追及されませんでした。
初キス
書庫にドクイムを呼び出したサン。ドクイムが自分ではなく大妃に頼ろうとした事が気にくわない。しかしドクイムはサンが最初からすべての事を把握していたのに自分に何も言わず自分を騙していたとやり返します。そしてしばらくの間怒鳴り合いが続きます。
「王様はすべての事を掌握したつもりでいても、そうやってのろのろしている間にもし宮女が間違って命を落としたらどうするつもりだったんですか?卑しい身分の宮女など死んだってどうでもいいんですか?」
「お前は実に傲慢でけしからん女だ。」「なら罰してください。私を殺しますか?どうせ下賤な宮女ですから。」「お前は余の心の中にいる。私が愛する世の中でただ一人の女だ。」「私は王様をただの一度も男性として見た事がありません。」
立ち去ろうとするドクイムを掴んで引き寄せサンは強引にキスします。
「赤い袖先」第14話感想
「赤い袖先」は通常ひとつの回の長さが1時間8~10分くらいですが今回は1時間28分ありました。ホンクギョンの墜落する姿をうまく描くためには通常枠では時間が足りなかったんでしょうね。
それにしても御前会議でサンの辞職宣言を聞いているホンクギョンの顔は全くの別人に見えました。虚無感を漂わせているというか。役者さんてすごいですね。顔事体を変える事もできてしまう。演じたカンフンはMBC大賞で最優秀新人賞を獲得しています。ちなみに2007年のドラマ「イサン」でホンクギョンを演じたハンサンジンも同じくMBC大賞で最優秀新人賞を獲得しています。
ホンクギョンはサンの命の恩人でサンを王様にしたキングメーカー。でもサンの王様即位後には堕落して悪徳代官になります。ドラマ「イサン」でホンクギョンは自分の不正を知ったヒョイ王后を実際に殺そうとしました。その当時いくらなんでもやりすぎの創作演出だろうと思い調べた所本当に殺そうとしたようです。事実は今回のような濡れ衣で陥れるというぬるい手段ではなかったようです。
しかし今回の王后のぬれぎの話はちょっと唐突すぎます。何故ホンクギョンは王后がウォンビンを殺したと思ったのかなどの心の変化が一切描写されておりません。話がぶっ翔んでます。本作品で感じた初めての違和感です。
このドラマのジャンルはラブロマンスですが第14話にしてやっとキスシーンが出ました。しかも相思相愛でなくほとんど強奪のキス。ラブロマンスにしては記録的なちんたら進展ペースです。
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