「赤い袖先」全話あらすじ、レビュー、秘話、登場人物、視聴率等

「赤い袖先」はKNTVで2022年4月より放映スタート（全話日本語字幕付き）。2011年3月11日金曜日20時～22時30分に第一話第二話先行無料放送実施。KNTVは日本で最初に韓国ドラマを放送する事にこだわる韓流専門チャンネル。

KNTVはスカパーから視聴可能

その他KNTVで視聴な可能な話題最新作に「ワンザウーマン」（2022年3月18日スタート）、「ホンチョンギ」（2022年2月19日スタート）がございます。

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サンがドクイムとムンヒョ世子が亡くなった際の悲しみを記した文書が残っております。超一級の学識を持つサンの格式高い文章力をうまく表現するなど私のつたない語学力では不可能ですがなんとなく外枠を翻訳してみます。雰囲気だけでもお掴みくださいませ。

「あぁ。ビン（ドクイムの事）はムンヒョ世子の母であり、ビンのお腹の中にはムンヒョ世子と同じ気運を持つ子供がいた。。。張り裂けそうな心の慰めになる道がここにあった。。。しかしビンはお腹の子供と一緒に急にこの世からいなくなった。ムンヒョ世子の痕跡と香りも一緒に無くなってしまった。」

「これから私がどこに救いをもとめ、何によりかかり、引き裂かれたような心を癒し、あやすのであろう？今の悲しみは以前の悲しみより深い。私の悲しみはビンに対してだけの物ではない。（ビン、ムンヒョ世子、お腹の子供に対する悲しみ）」

「ムンヒョ世子を亡くし、涙も乾ききらないうちにお腹の子供と一緒に世を去ってしまった。ビンの運命が可哀そうで悲しい。」

（サンはこの次の文章でムンヒョ世子の墓のとなりにドクイムの墓を設置すると書きます。世子と側室ではランキングが全然違うので家臣たちから「世子と同列に扱うなど前代未聞」と反対されますが、サンは強引に押し切ります。）

「お前（ドクイム）も私が悲しみを忘れない事に悲しむであろう。そうだろう？そうではないのか？あぁ。悲しい。」

2006年から2007年でMBC局で放映された大ヒットドラマ「イサン」のウィビンソン史の名前はソンソンヨン、2021年のMBCドラマ「赤い袖先」はソンドクイム（成徳任）。

正しい本名はソンドクイムです。「チャングムの誓い」や「ホジュン」「トンイ」を手掛けたイビョンフン率いる制作陣は2006年当時ウィビンソン氏の名前をしらなかったのです。その後にウィビンソン史の本名がソンドクイムとする記録が発見されました。李氏朝鮮時代の王様の側室の本名は記されておりません。清風金氏など宮での呼び名で十分で本名は重視されなかったのです。但し例外が一人います。チャンオクチョン＝チャンヒビンです。彼女は記録係があえて実名を残すほど有名でしたから。

ソンソンヨンは絵がうまく、ソンドクイムは字がうまい。実像のウィビンソン氏もあとから発見された資料で字がうまい人という事が判明しました。

ソンドクイムがサンの側室になったあとの懐妊および出産歴は以下となります。

1780年。ドクイム28歳。妊娠。流産。イサン29歳。

1781年。ドクイム29歳。妊娠。流産。イサン30歳。

1782年。ドクイム30歳。ムンヒョ世子出産。イサン31歳。

1783年。ドクイム31歳。姫を出産（生後2か月で夭折）。イサン32歳。

1784年。サン、33歳。ムンヒョを世子に任命する。

1785年～1786年。ドクイム懐妊。

1786年5月。ムンヒョ世子夭折。それから4か月後の9月ドクイム死亡。ドクイム34歳。イサン35歳。

• ソンドクイムの死因は妊娠中毒と言われています。
• 今作品で出て来た同じ親戚、末裔、同門を意味する表現の本貫。サンを演じたジュノ（イジュノ）の本貫は全州李氏。これはイサンを含む李氏朝鮮王様の本貫と同じなのでジュノは王族の末裔となります。
• ドラマ「赤い袖先」の原作は2017年に発行されたカンミガン執筆の歴史ロマンス小説「赤い袖先」。
• このドラマ修了後に原作はもちろんの事、イサン関連の本が韓国で爆発的に売れた。
• このドラマの公約視聴率に掲げた数字はジュノが15％、イセヨンとイドッファが各々10％。
• 第14話でサンと大妃が囲碁を打つ場面は2016年に最強囲碁棋士イセドルとコンピューターAIの勝負を再現したもの。イセドルはこの勝負で勝利を収めますが、この勝負以降人間プロ棋士はAIに一度も勝てなくなりました。

イサンは晩年おできで苦しめられました。体中あちこちに膿が出るという症状。尊敬する父親の残酷な処刑、殺していった人間たちと顔を見合わせながら政治をしなければならなかった不条理。ストレス性の病気が悪化した事による死と言われます。

ただ今も昔も老論派による毒殺という見方も根強いです。イサンは王位即位後も多数を占める老論派と政治をしなければならず、彼らと駆け引きをしなければなりませんでした。王位24年目で彼が亡くなる年である旧暦1800年5月に四方八方にいる人たちを呼び、自分の言う事を聞かない老論派には暇を出すと宣言。呼び戻す時期はその年の旧暦7月。そしてその1か月前の旧暦6月に死亡します。

イサンが死んだ後に息子である純祖が王様になりますがまだ11歳で幼いという理由で貞純大妃がすだれ政治という方式で純祖をコントロールします。貞純大妃はサンの政治改革を破壊し、サンの側近たちを死罪や流刑にしたりして、彼女が首長である政治派閥老論派の天下を復活させます。

当時彼女は朝鮮国で最強の権力を持つ人間でしたが、すだれ政治の約束された任期4年を終えると引退し半年後に亡くなります。彼女の死とともに老論派の時代も終わりました。

15歳で本物の王様になった純祖ですが、この人はサンのDNAを受け継いでか民百姓大好き人間で、民の面倒を見るのは自分、政治は家臣たちと役割分担しました。すると家臣たちや地方官僚たちはだんだん純祖の目を気にしなくなり王権が弱体していきます。

純祖の嫁スノン王后は安東という家門のキム氏。老論派が去った後に安東キム氏の家族親戚一同による摂生政治が行われるきっかけになります。

純祖の在位は34年と長いですが体が弱く30歳を超えてからはほとんど寝たきり生活を繰り返します。ここで純祖が出した隠し玉がヒョミョン世子です。彼に王様代行をやらせます。

純祖は英祖のように孫の粗ばっかり探して文句をつける偏屈な性格でなく、息子の成果を自慢して喜ぶような親ばかでしたのでヒョミョン世子に好きな事をやらせます。ヒョミョン世子は公明正大、シンプルな政治を目指し、利権をむさぼろうとする母親方の安東キム氏一族をけん制します。

ただヒョミョン世子は病気で22歳で早死にします。この時純祖は「天は朝鮮をつぶすために世子を殺したのか！」と文で嘆きます。ヒョミョン世子は安東金氏の力をそぐため、妻の実家・豊壌趙氏の人物を多用しましたが、これがのちのち豊壌趙氏という第二の安東金氏のような勢力を作らせる事になります。

ヒョミョン世子をモデルにしたドラマにパクポゴム主演の「雲が描いた月明り」があります。

純祖が亡くなった時にはヒョミョン世子の息子で純祖の孫、イサンのひ孫である憲宗が王様になりますが当時9歳。純祖の后がすだれ政治をします。彼女をバックアップする安東金氏とヒョミョン世子の嫁をバックアップする豊壌趙氏が勢力争いをします。

ただイサンの血筋を引く人間だけあって憲宗は平凡な人ではなかったので王様の権力をどんどん取り返します。彼は曾祖父イサンの信奉者でしたのでなるべきサンの政治を見習います。

ですがこの人も23歳で早死にします。男の子がいなかったので若いのに嫡男を作るべくせっせと精力剤を飲んだせいで肝臓をやられたらしいです。キムスヒョンが出演した「太陽を抱く月」のモデルがこの人です。朝鮮歴代王の中で世宗大王の息子文宗と憲宗は飛びぬけて美男子だったらしいです。憲宗が宮を歩くと女官たちがそわそわして騒いだと記録に残っています。

純祖もヒョミョン世子も憲宗も皆イサンの直系子孫。それなりに優秀でした。妻の親戚一族のお飾りになりませんでしたし、好き放題させませんでした。問題は精力剤の涙ぐましい努力にもかかわらず憲宗が跡継ぎを残せなかった事。ここでサンの血筋は途切れます。

そして安東金一族が連れて来たのがイウォンボム。第25代哲宗です。彼はイサンの異母兄弟の孫でサド世子のひ孫。純祖の正室スノン王后が彼をスカウトに行ったとき彼は江華島で漁夫をやっていました。教育を受けておらず漢字も読めません。ですが安東金一族にとって王族ゆかりのものというシンボリックステータスだけで十分だったのです。お飾りにして政治は自分たちが牛耳ります。

哲宗には子供がいませんでしたので王族ゆかりの高宗が同じ理由で連れてこられます。こちらもサド世子系列です。

李氏朝鮮国の晩年は安東一族の私腹を肥やすための劣悪政治となります。そして1910年に高宗の息子純宗の時代に日本に併合され朝鮮国は消滅します。

ドラマ、映画の批評で有名な日本のサイトFiilmarksですでに本ドラマの感想が掲載されておりましたのでいくつかご紹介いたします。2022年3月10日時点のレビュー点数は5点満点で4.6点と高いです。（引用元）

コメント１

コメント２（ネタばれ）

コメント３

※平均視聴率は全国区11.0％、首都圏10.7％。

※ニールセンコリア調べ。

演出と脚本

演出はMBCのチョンジイン。MBC局所属で毎年のようにドラマ共同演出を担当。脚本は「ケベク」で共同執筆したチョンジイン。

作品基本情報

MBC大賞受賞歴

2021年のMBC演技大賞でドラマ「赤い袖先」が受賞した各部門受賞者リストは以下となります。